あがり症や対人恐怖症はどんな劣等感を持つのですか?

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自分があがり症や対人恐怖症なのかどうかわかりません。ただ、強い劣等感を持っています。あがり症や対人恐怖症になるとどんな劣等感を持つのでしょうか?




あがり症や対人恐怖症の人は例外なしに下記のような劣等感を抱くといいます。ただ、それらの劣等感はその人の素質というよりも、完全欲が強すぎるがゆえのものであることも、同時に理解することが重要です。





森田療法のすすめ(高良武久著、白楊社)P.198より

 対人恐怖症の人は例外なしに劣等感をもっている。

 何ごとにつけても自分が人より劣っているように思う。人のように気がきかない、間が抜けている、実行力がない、社交性がない、あるいは自分の姿態、顔などがよくないとか、自分の親や境遇が悪いと決めている者もある。(中略)

 たとえばある者は、自分は眉毛が醜いから人なかに出られないと決めている。またある者は、手のひらに汗をかくので握手もできないからダメな人間なのだとか、自分は赤面しやすいから、頭が重いから、数学が苦手だから、運動神経が鈍いから

 ……などのことで、自分全体をつまらない人間だと決めてしまう。こういう考え方、受けとり方が神経質症的な劣等感である。


 あがり症や対人恐怖症の人は例外なしに上記の劣等感を抱くといいます。ただ、それらの劣等感はその人の素質というよりも、完全欲が強すぎるがゆえのものであることも理解することが必要です。

 実際、あがり症や対人恐怖症の人々に仕事をしてもらうと、正常な人より劣っていることはなく(むしろ優秀であるケースが多いといいます)、そこに真の劣等(等級・程度などが水準より劣っていること)はないといいます。

 それにも関わらずなぜあがり症の人は劣等感を抱いてしまうのか。

 よくあるご質問「あがり症はどういうメカニズムで劣等感を抱くのですか?」の中でも、「あがり症(対人恐怖症)の方は、この“かくあるべし”という考えが非常に強い」という特徴を持っているという話を紹介しましたが、

 そこには、彼らの完全欲が強すぎるという原因が隠れています。こうあるべきだという理想や完全欲が強すぎるために、少しの弱点に意識を集中させてしまう。そして、強い劣等感を抱いてしまうといいます。

 もし、あなた感じる劣等感がここで紹介したものに当てはまる場合でも、それらの劣等感はあなたの素質というよりも、完全欲が強すぎるがゆえのものであること。これを同時に理解することが重要となります。