プロスポーツ選手はどうやって緊張やあがりをコントロールしているのですか?

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プロスポーツ選手はどうやって緊張やあがりをコントロールしているのですか?


高いエフィカシー(自己評価)を維持するというのが、プロスポーツ選手が緊張やあがりをコントロールしている一つの方法です。




本番に強い脳と心のつくり方(苫米地英人著、PHP新書)P.76より

 プロスポーツのコーチングの基本はエフィカシーです。

 「自分は世界最高だ、最強だ」というイメージをいかにもたせ、維持させるか。強みやポジティブな要因については「◯◯があなたらしい強みで、◯◯については世界一だ」と徹底的に認識させ、意識を強化していきます。

 逆に弱点やネガティブな要因はいっさい考えないように意識を誘導します。そうすることで絶対的な自己評価を確立させるのです。


 平たく言えばエフィカシーとは“自分の能力に対する自己評価”のこと(※注1)です。この高いエフィカシー(自己評価)を維持するというのが、プロスポーツ選手が緊張やあがりをコントロールしている一つの方法です。

 プロスポーツコーチは、選手のエフィカシー(自己評価)を高めるために、さまざまな方法でコーチングをします。

 例えば、本書で紹介されているのがアファメーションです。アファメーションとは、“言葉を使って理想的な自己イメージをつくりあげる手法”です。具体的な方法としては、


1.まず「なりたい自分」を決めさせる。

 たとえば「世界最高のプレーヤーになる」、「オリンピックで金メダルをとるようなスポーツ選手になる」、「日本を代表する世界的なプレーヤーになる」、「年俸一億円を稼げるプレーヤーになる」など理想のゴールを設定させます。

2.そのゴールに向かってセルフトークさせる。

 セルフトークとは自己対話という意味。「自分は◯◯ということができる」、「自分が今設定しているゴールを達成するのにふさわしい人間だ」とセルフトークさせることで、ゴールを強くイメージさせるのです。

3.セルフトークをくり返す。

 セルフトークを毎日繰り返し、ゴールをリアルに感じることがでいるようにさせる。

 以上です。脳科学やスポーツ心理学にあまり詳しくないという方には、多少スピリチュアルすぎる話に聞こえるかもしれません。しかし、実に多くのプロスポーツ選手がこれらの方法を実践しています。


本番に強い脳と心のつくり方(苫米地英人著、PHP新書)P.77より

 多くの人は、過去の失敗や他人(親や教師)の言葉にとらわれ、いまの自分を過小評価して、エフィカシーを上げることができないでいます。しかし、未来のゴールを設定して、その未来に対していまの自分がどうあるべきかを条件づけることで、自己イメージを高く保つことができるのです。


 これがプロスポーツ選手が取り組んでいる自分に自信を持ち続け、緊張やあがりをコントロールする方法の一つです。

 (※注1、エフィカシーとはカナダ人心理学者アルバート・バンデューラが提唱した心理学用語で、自己効力感 (じここうりょくかん)のこと。「外界の事柄に対し、自分が何らかの働きかけをすることが可能である」という感覚のことです)