向精神薬であがり症は治りますか? |
向精神薬の効用は、克服へ向かってきっかけを与えることが主な効用であって、向精神薬を服用するだけで、あがり症が治るというケースはほとんどありません。
他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.213より <社会不安>に対する向精神薬の効用は、ひと言でいうなら、本人が陥っている状況を打開し、克服へ向かって歩き出すきっかけを与えることである。
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向精神薬とは、中枢神経系(神経系の中で多数の神経細胞が集まって大きなまとまりになっている領域)に作用して精神に影響を与える薬剤の総称です。具体的には、精神安定剤や抗うつ剤、鎮静剤や睡眠剤がこれにあたります。
あがり症をはじめとする社会不安に対する向精神薬の効用は、本書で述べられているように「克服へ向かってきっかけを与えること」が主な効用であって、根治(病気などを根本から完全になおすこと)のためのものではありません。向精神薬を服用するだけで、あがり症が治るというケースはほとんどありません。
薬の効用を高めたり、服用をやめた時の再発を防いだりするために、薬物療法には心理療法との併用が望ましいと言われています。
ご参考にして頂ければと思います。