あがり症や対人恐怖にセロトニンがいいと聞きました。どんなものですか?

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あがり症や対人恐怖を抑えるのにセロトニンがいいと聞きました。セロトニンとはどんなものでしょうか?



セロトニンには「心のバランスをとる」はたらきがあります。


精神科医が書いたあがり症はなぜ治せるようになったのか
(木村昌幹著、現代書林)P.97より


 セロトニンがおさえるのは、不安や恐怖ばかりではありません。舞い上がるほどの喜びや止められないほどの「やる気」のようなプラスの精神状態もおさえこみ、平常心に戻すはたらきがあると言われています。

 このようなセロトニンの「心のバランスをとる」はたらきは(中略)ドーパミンとノルアドレナリンという2つの脳内物質をコントロールすることによって行われています。

 ドーパミンには性欲や食欲などの本能的な欲望を引き起こすはたらきがあり、ノルアドレナリンにはストレスに対して不安や恐怖を感じたり、一方でやる気を起こしたりする作用があります。ドーパミンが多すぎれば行動が暴走してしまいますし、ノルアドレナリンが多すぎれば心が不安定になります。

 そのような極端な状態を避け、平常心を保ってくれるのがセロトニンというわけです。


 別のよくあるご質問の中で、不安をコントロールしている脳内物質のひとつに「セロトニン」があり、これが十分にはたらく人は不安を感じにくく、一方で、セロトニンを運搬する「セロトニン・トランスポーター」の遺伝子が短い人はセロトニンを有効利用しにくいために、不安を感じやすくなるのではないかと言われているという話を紹介しました。

 本書でも紹介されているとおり、セロトニンには「心のバランスをとる」はたらきがあります。

 セロトニンが弱い人は、

気分が沈みがち。

表情がこわばる。

心配ごと、ストレスがたまる。

姿勢が悪くなる。

自律神経に不調を起こす。

関節の痛みが出る。


一方で、セロトニンが強い人は、

気持ちが明るくなる。

表情が豊か。

ストレスがない。

姿勢が良くなる。

自律神経が整う。

からだがよく動く。

 といった特徴があります。

 セロトニンが弱く、上記のような傾向にある方は、セロトニン神経にどんどんセロトニンをつくってもらうことで、脳内のセロトニンを十分に作用させて平常心を維持ことができます。

 具体的には「午前中に光を浴びる」、「リズムのある運動を20〜30分続ける」といったことを習慣にしていくだけでも、自律神経が整って体調が良くなることにつながります。またセロトニンを補給できる健康食品を利用するというのも効果的です。