緊張して頭が真っ白になるのはなぜですか?

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私はあがり症で緊張すると頭が真っ白になってしまいます。予め考えていた内容は全て飛び、言葉通り真っ白になります。なぜ緊張すると頭が真っ白になってしまうのでしょうか?




脳内の血液が今日や不安をコントロールする扁桃体に急激に集まるために、意識や倫理(言葉)の中枢である大脳皮質の血流が低下し、脳貧血のような状態にるためです。





精神科医が書いたあがり症はなぜ治せるようになったのか
(木村昌幹著、現代書林)P.97より


 SADの患者さんに話をうかがっていてよく耳にするのが、スピーチなどで人前に立ってしゃべろうとすると「頭が真っ白になって、言葉が出なくなる」という言葉です。これについても、最近は科学的に説明できるようになりました。

 というのは、SADの患者さんは、緊張する場面になると脳内の「扁桃体(へんとうたい)」という部分が活発にはたらいていることがわかりました。扁桃体は、恐怖や不安をコントロールする中枢です。

 SADの患者さんは、緊張する場面に直面すると、脳内の血液が扁桃体に急激に集まるために、意識や倫理(言葉)の中枢である大脳皮質の血流が低下し、脳貧血のような状態になって「頭が真っ白になる」というのです。


 扁桃体(へんとうたい、英: Amygdala)はアーモンド形の神経細胞の集まりで、情動反応(恐怖・驚き・怒り・悲しみ・喜びなど、急激で一時的なもの、比較的短期の感情の動きのこと)の処理と記憶において主要な役割を持つことが示されています。

 (※上図、Amygdalaと紹介されているアーモンド形のものが扁桃体です。http://sycofx.wordpress.com/2011/08/16/happiness-and-the-amygdala/より

 本書にもある通り、この扁桃体は恐怖や不安をコントロールする中枢です。人間の脳は緊張や不安を覚える場面に出くわすと、この中枢である扁桃体の動きが活発になります。

 あがり症の方は、過度の緊張や不安を覚えることで、この働きが活発になりすぎてしまう。結果として、言葉や倫理を司る大脳皮質の血流が低下してしまいます。こうなってしまうと、脳貧血のような状態になってしまうので言葉どおり「頭が真っ白になってします」という現象が起こります。

 これが、あがり症の方が緊張すると頭が真っ白になってしまうメカニズムです。