大リーガー松井秀喜選手の緊張対策やあがり症対策を教えて下さい。

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プロ野球や大リーグで活躍した松井秀喜選手は独自の緊張対策やあがり症対策を持っていると聞きました。詳しく教えて下さい。



松井秀喜選手の緊張しない秘訣は「自分の100%」を知ることです。



緊張・ドキドキ・あがり症は簡単に治せる
(上木博著、アーク書院)P.30より


 自分の100%を知る

 「初めて甲子園で打席を踏んだとき以外、一度も緊張したことがない」というのが、アメリカ大リーグで活躍する松井選手。彼の緊張しない秘訣は「自分の100%」を知ることだそうです。

 自分が出来ることと出来ないこと、つまり、自分がコントロールできることと自分がコントロールできないことを、普段から把握していることが大切だというのです。

 「そのために必要なのは、なによりもまず経験」だという松井選手は、自分の打ったこれまでの400本以上のホームランの情報をすべて覚えているのだそうです。ですから、未知のものに対面したときも、その経験が土台となり、自分のキャパシティや技量がわかるため、緊張することなく、ありのままの自分を出せるのだそうです。

 また、本番で100%の力を出すため、試合前のロッカールームで、必ずおにぎりを二個食べるのだそうです。いわゆるジンクスですが、この習慣を毎日どんなときも欠かさないことで、リラックス効果や集中力も高まるそうです。(中略)

 また、松井選手は、シーズンの終わりに過去のビデオを見て記憶するそうです。一年間の行動や出来事を、メモや日記につけるのもよいかもしれません。

 その時どきの自分の心境や反応してしまった言葉などを記録することは、自分自身の100%を知るカギになるでしょう。


 別のよくあるご質問のなかで、高いエフィカシー(自己評価)を維持するというのが、プロスポーツ選手が緊張やあがりをコントロールしている一つの方法である、という話を紹介したことがありますが、

 高いエフィカシー(自己評価)を維持するという話をすると、どうしても「自分が思う自身の評価を上げること」にフォーカスしてしまいがちです。しかし、ここでより重要なのは「いまの自分を過小評価して、エフィカシーを上げることができないでいるのを“防ぐこと”」です。

 上記のFAQでも紹介しましたが、多くの人は、過去の失敗や他人(親や教師)の言葉にとらわれ、いまの自分を過小評価して、エフィカシーを上げることができないでいます。“過小”評価してしまうということは、言い換えれば100ある自分を50や60にしか思っていないということです。

 松井選手の場合は、自分自身の行動を記録(記憶)することで「自分が出来ることと出来ないこと」、「自分がコントロールできることと自分がコントロールできないこと」を、普段から把握する。そうやって100ある自分を100知る。つまり、100%の自分を知ることによって自分を過小評価することなく、緊張やあがりに打ち勝って高いパフォーマンスを発揮していたのです。

 なお、感情を言葉に表す、書き出すことでストレスに満ちた情報に脳が対処する方法が変わる。不安や心配について書くことの利点は多くの研究結果によって証明されていますし日記を付け続けることがあがり症や緊張対策に効果的である、ということは別のよくあるご質問でも紹介しています。参考にしてみて下さい。

 また、試合前のロッカールームで必ずおにぎりを二個食べるという行為は、決まり切った一連の手順を踏むプリショット・ルーティンやプリプレー・ルーティンと呼ばれるもので、プレッシャーに負けずにパフォーマンスを発揮(集中モードに切り替えること)できる効果的な方法として知られています。