回避性人格障害について詳しく教えて下さい。

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回避性人格障害という言葉を聞きました。回避性人格障害について詳しく教えて下さい。


「苦手な状況からできることなら逃れたい」という行動が習慣化される。その性格のせいで日常生活に大きな支障をきたす。これが回避性人格障害という精神疾患です。





他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.139より


 強い不安を感じる状況を避けようとする<回避行動>は、ふつうの人にも見ることができる。

 「苦手な状況からできることなら逃れたい」という気持ちは、ごく当たり前の感情だからだ。ところが、そういう行動が習慣化されてしまうと<回避の性格>として固定化し、さらにその性格のせいで日常生活に大きな支障をきたすようになると<回避性人格障害>という精神疾患になってしまう。

 つまり<回避性人格障害>は、ある日突然現れるものではなく、ふつうの人が行う<回避行動>と、言ってみれば地続きにつながっているのである…。


 本書によれば、回避性人格障害の人は、他の誰かから自分自身を低く評価されることに強い怖れを抱いています。そのため、他人からのそんな評価に自分がさらされてしまいそうな状況を絶えず避けようとします。

 ある回避性人格障害の方は、家族以外に自分の胸の内を明かせる相手がいないといいます。なぜその人は、そんな対人関係を築いてしまうのでしょうか。

 それは、職場の同僚や上司でも、同じマンション・アパートに住む近所づきあいにおいても「この人は、自分に好意を感じていて、自分の価値を認めてくれている。この人は自分を傷つけたりしない」と確信できるまで他の人と関わろうとしないせいです。

 たとえ親しい間柄の人間の前であっても、慎重な姿勢を崩しません。

その場に適さないことを自分の口から発してしまうのではないか。

自分の発言が周りからバカだと思われないか。

突然何かを質問されて、きちんと答えられるのだろうか。

自分の行動が周りの人にとって不自然にはうつらないだろうか。

 といったことを考えてしまうのです。

 回避性人格障害の人は、自分以外の他の人に対する強い怖れが、その人の生き方や考え方、行動のしかたのすべてに大きな影響を及ぼしてしまいます。ここが単なる回避行動や回避性の性格とのいちばんの大きな違いです。