ワーキングメモリーについてわかりやすく簡単に教えて下さい。

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緊張やプレッシャーに関する書籍を読んでいると、ワーキングメモリーという言葉をよくみつけます。ワーキングメモリーについてわかりやすく簡単に教えて下さい。




ワーキングメモリーとは“頭脳の馬力”のことをいいます。


 ワーキングメモリーとは認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念です。作業記憶、作動記憶とも呼ばれます。一般には、前頭皮質、頭頂皮質、前帯状皮質、および大脳基底核の一部がワーキングメモリに関与すると考えられています。

 ……とまぁ、専門的な言葉を並べてしまいましたが、ひらたく言えば、ワーキングメモリーとは“頭脳の馬力”のことをいいます。


なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.34より


 前頭前皮質に位置するワーキングメモリーは、短期的に情報を記憶に留めておく能力を反映しているが、コンピューターのハードディスク・ドライブにある格納庫以上の役割をはたしている。

 ワーキングメモリーは同時に別のことをしながら、情報を脳に留める(および、その情報が消えないように保護する)能力に関係している。

 たとえば、いま向かっているレストランの住所を思い出そうとしながら、同時に夕食で会うことになっている友人からのメールを読んでいるとき、ワーキングメモリーが働いている。


 ワーキングメモリーは、私たちが日常的に行なう活動の多くで重要な役割をはたします。

 たとえば、

電話番号を覚えようとしながら熱い皿をレンジからとりだす

混雑した通りを抜けながら二本目の通りで曲がろうと考える

新旧の部屋のレイアウト想像しながら頭のなかで比較する

 これらの作業には、いずれもワーキングメモリーがかかわっています。そして自分自身がもっているワーキングメモリーの量が、読解力や問題解決といった、学業に秀でるために不可欠な活動でどのくらいの能力を発揮することができるか、を予測するものになります。


なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.101より


 ワーキングメモリーは単なる貯蔵庫以上の存在である。これは別々のことを同時に行いながら、情報を記憶に留めておく能力も反映するものだ。(中略)

 ワーキングメモリーはあることに注意を傾け、その他のものは無視する能力と関連しており、それによって覚えておきたい情報を記憶できるようにすることなのだ。

 ワーキングメモリーの個人差は、総合的な知力に占める割合が50%から70%の違いとなって現れる。要するに、ワーキングメモリーはIQの主要な構成要素なのだ。だから、研究者は人がそもそもどうやってそれを獲得するのか、ということに関心をもっている。