私は知性や教養がなく、きちんと自己主張をすることができません。

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私はきちんと自己主張をすることができません。知性があり、教養もある友人たちに対して物おじしてしまいます。私自身ももっと知性があり、教養もあればしっかりと自己主張できると思うのですが。





引っ込み思案で自己主張できないことに、知性も教養もまったく関係ありません。これは、これは単に心の問題です。



他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.130より


 <内気>な人たちのなかには、自分がきちんと自己主張できないのは知性や教養がないからだと思いこみ、必要以上に自己評価を下げてしまう人もいる。

 しかし当然のことながら、<内気>な人が引っ込み思案であることに、知性も教養もまったく関係なく、これは単に心の問題であるだけなのだ。ラ・ロシュフコー(※)はこう言っている。

 《自信は才気以上に会話を潤す》。


 ※ラ・ロシュフコー(1613年〜1680年)は、フランスの貴族、モラリスト文学者。

 「自信は才気以上に会話を潤す」。才気とは“すぐれた才能”のこと。つまり、“自分で自分の能力や価値などを信じること”のほうが、“すぐれた才能”よりも会話を円滑にする。より自分自身の意見や考えや欲求などを他人に伝えることができるようになるということです。

 別のよくあるご質問で、あがり症や対人恐怖といった社会不安とエフィカシー(自己評価)は密接な相関関係にあることが研究によって証明されていることを紹介したことがありますが、

 同様に内気な人も必要以上に自己評価を下げてしまう人が多くいます。

 そして、自分がきちんと自己主張できないのは知性や教養がないからだと思いこむ。結果として「もっと知性や教養をつけよう。そうすればもっと自己主張できるはずだ」というアプローチをとろうとします。

 知性や教養をつけようとすることはたいへん素晴らしいことではありますが、ただ、それと自分自身が意見や考えや欲求などを他人に伝えることができるようになるかは別問題であることも理解しておいてください。