あがり症や緊張している人への励ましは禁物なのですか?

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私はよく、あがり症の友人が緊張している時に励ましの言葉をかけていました。もっと良い励まし方法がないかと色々と調べていたところ、そもそもあがり症や緊張している人への励ましは禁物である、という情報を見つけました。これは本当なのですか?





安易な励ましは禁物です。大切なのは「この人を何とかしてあげよう」という気持ちをあまり持ちすぎないようにすることです。




「緊張」から自分を救う本 アガリ症を逆手にとる方法
(松本桂樹著、大和書房)P.96より


 「励まし」は禁物

 いま、あなたの目の前にいる人がとても緊張していた場合、あなたはどうするでしょうか?

 たいていの人は、その程度や質に個人差はあっても、「困っている人がいたら、力になってあげたい」という気持ちを、心のどこかに持っています。

 でも、大切なのは、「この人を何とかしてあげよう」という気持ちをあまり持ちすぎないようにすることなのです。


 別のよくあるご質問のなかで、あがり症や対人恐怖症の方に対して、家族や友人が安易な気持ちや知識だけで助言や励まし、説得をすることはかえって逆効果になりがちであり、十分な配慮を持って接する必要があるという話を紹介したことがありますが、安易は励ましはやはり禁物です。

急な階段を前に重い荷物を持った老人の荷物を持ってあげること

子連れのベビーカーを一緒に持ち上げて段差を降りてあげること

 など、目の前に困ったりつらい思いをしている人が現れたときに、その人を自分の力でなんとか助けようとする。これと同様に、あなたの目の前にいる人がとても緊張している、固くなって怖気づいている。そんな状況を見れば、

ひと声かけて相手を変えてあげたい。

説得しようとしたり、力づけたりしたい。

 そう思うのは人間としてごく自然なことです。あなたが心優しい人であればあるほどそう強く思うはずです。

 ただ、相手があがり症をはじめとする社会不安の方の場合は注意が必要です。そうやってあなたがはたらきかけようとすることが、かえって相手の負担になってしまうこともあるのです。


「緊張」から自分を救う本 アガリ症を逆手にとる方法
(松本桂樹著、大和書房)P.97より


 会社で言えば、本人はとても活発で一生懸命なのに、なぜか部下を萎縮させたりダメにしてしまいがちな上司に、よく見られる態度です。

 具体的なパターンをいくつかあげてみると、「ろくに話を聞かずに、すぐに励ましたり、元気づけたりする」「あれこれと指図をする」「頭から叱りつける」などです。

「もっと元気を出して、頑張れ」

「そんなこと言わずに、しっかりしろ」

「そういうときには、こうやるもんだ」

「だから、こうしろと言っただろう」

「何をやっているんだ、このバカ」

「そんなことじゃ、ダメじゃないか」


 あなたが、もし緊張しやすいタイプの方でしたら、あなたも「こんな言われ方をしたら嫌だな」と感じるのではないでしょうか?

 安易な励ましは禁物です。大切なのは「この人を何とかしてあげよう」という気持ちをあまり持ちすぎないようにすることです。参考にしてみて下さい。