あがり症を改善していくのに謙遜し過ぎるのはよくないことですか?

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私はどうしても他人の褒め言葉を素直に受け取れません。他人を褒めるのは抵抗がありませんが、自分が褒められるとつい謙遜してしまいます。あがり症を改善していくのに謙遜し過ぎるのはよくないことですか?





あがり症を改善していくうえで、謙遜し過ぎる、あるいは他人のほめ言葉をディスカウントしてしまうクセは損です。




「緊張」から自分を救う本 アガリ症を逆手にとる方法
(松本桂樹著、大和書房)P.63より


 「ほめ言葉」をディスカウントする謙遜グセは損!

 緊張しやすい人によく見られる二つ目の特徴は、周りからのプラス評価をなかなか受け取れない、ということです。(中略)プラス評価はなかなか入ってきません。

 「今日の服は素敵ですね」と言われても、お世辞だろうとか、この人は誰にでもそういうことを言う人なんだろうなどと、自分に対するプラス評価をディスカウント(割り引き)してしまいます。


 別のよくあるご質問で、あがり症や対人恐怖といった社会不安とエフィカシー(自己評価)は密接な相関関係にあることが研究によって証明されていることを紹介したことがありますが

 確かに日本人には「自分自身をへりくだった言いかた」をするのが一種の美徳とする傾向があります。式典や宴席でのスピーチの出だしも、人びとが謙遜する姿をあなたも見たことがあるのではないでしょうか?式典や宴席以外にも、普段の生活でも、日本では謙遜することが美学とされている場面を多く見かけます。

 しかし、あがり症をはじめとする社会不安を改善していくうえで、謙遜し過ぎる、あるいは他人のほめ言葉をディスカウントしてしまうクセは損です。「謙遜し過ぎること」=「自己評価が低い」と考えた場合、謙遜し過ぎることはあまり良いこととは言えません。

 上記のFAQでも紹介しましたが、自己評価が低すぎることは、うつを筆頭にさまざまな心理的な障害をもたらす源となっており、あがり症をはじめとする社会不安とも密接な相関関係にあることが研究によって証明されています。

 誰かに褒められた(プラス評価をされた)場合には、それをディスカウント(割り引き)するのではなく、素直に受け止める。素直で丁寧に感謝の意を述べる。相手の褒め言葉に疑いの念を抱くのではなく、自分のプラス評価として受け取る。

 こうやって少しずつ自己評価(エフィカシー)を高める努力をしてみる。これだけでも、あがり症をはじめとする社会不安を改善していく大きな一歩となります。