赤面症と赤面恐怖の違いについて教えて下さい。

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赤面症と赤面恐怖の違いがよくわかりません。私は顔が赤くなってもさほど恐怖心を感じることはありません。この場合、私は赤面恐怖になるのでしょうか?




実は「赤面症」の人の多くは「赤面恐怖」ではありません。赤面症の人は「顔が赤くなること=恐怖心」とは必ずしもつながらないといいます。以下に両者の違いを紹介します。





他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.60より


 <赤面症>と<赤面恐怖>について、その違いがあまりよくわからないという人も少なくないと思う。そんな人のために、ここでまとめてきちんと説明しておこう。

 簡単に言うと、人から見られるという特定の状況において、必ず顔が赤くなってしまうのが<赤面症>だ。そして、そのような状況で過去に一度でも顔が赤くなったことのある人が、「また赤くなるのではないか」と不安を感じ、そういう状況そのものに恐怖心を抱くようになるのが<赤面恐怖>である。まずはこの違いをしっかり認識しておいてほしい。


 では、ふたつの症状に関係性はあるのでしょうか。「赤面症」の人は「赤面恐怖」を必ず併発してしまうのでしょうか。本書によれば答えは「いいえ」です。

 「赤面症」の人の多くは「赤面恐怖」ではありません。「緊張や不安を感じるとすぐに顔が赤くなってしまうこと」に恥ずかしさや腹立たしさを感じることはあっても、「顔が赤くなること=恐怖心」とは必ずしもつながらないといいます。

 一方で、「赤面恐怖」の人は、その恐怖ゆえに「赤面症」が悪化してしまう場合が少なくないといいます。こういう方は、顔が赤くなってしまうことに日頃から強い不安を感じています。つまり、最初から「また顔が赤くなるのではないか」と疑ってかかるため、たいしたことでなくても顔が赤くなってしまうのです。

 誰かと話をする時にたまたま顔が赤くなる。すると次回以降、そのことばかりに気になってしまい会話に身が入らなくなる。これによってますます不安感が募るという悪循環にはまってしまいます。この悪循環のため「赤面恐怖」の治療には長い時間がかかります。