よく社会恐怖とか対人恐怖とか言いますが、恐怖症とはいったい何ですか?

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よく社会恐怖とか対人恐怖とか言いますが、恐怖症とはいったい何ですか?


恐怖症とは、特定の対象に対して自分では抑制できないほど激しい怖れを感じる病気のことをいいます。



他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.151より


 <恐怖症>とは、特定の対象に対して自分では抑制できないほど激しい怖れを感じる病気である。<恐怖症>の人は、自分が苦手な対象をなんとかして避けようとするが、もしその対象に出会ってしまった時には、非常に激しい怖れを感じる。

 つまり<恐怖症>であるかどうかの判断基準は、①苦手な対象に対する激しい怖れ、②徹底した回避行動、のふたつである。


 たとえば、虫恐怖について考えてみましょう(実際、このページを読んでいるあなたも虫が苦手という人がいるかもしれません)。

 虫が苦手だという普通の人は、虫が潜んでいそうな古い民家や古宿で一夜を過ごさなければいけない場合、多少の不安な気持ちに襲われます。

「部屋のなかに虫がいたら嫌だな」

「風呂場でシャワーを浴びている時に出くわしたらどうしよう」

「クローゼットにかけている服のまわりにいたらどうしよう」

 そう思いながら、天井に虫がいないか、ベッドのまわりに虫がいないかを確かめ、もしいたら新聞を丸めて叩いたり、どうにかして追いだそうとします。ただ、多くの場合、たとえ虫が一匹見つかったとしても、一睡もできない。ということはないはずです(寝る前にゴキブリを見つけても、多少の恐怖を感じながら熟睡して朝を迎えることのできるあなたは虫恐怖ではありません)。

 一方で、虫恐怖の人はそうではありません。虫の姿が部屋のすみに見えた“ような気がしただけ”で、気絶してしまうほど激しい怖れを感じます。その部屋(家)や周囲から完全に虫を駆除してもらわない限り、そこへ足を踏み入れることができません。

 社会恐怖もこれと同様の考え方です。虫ではなく“他人”に対して恐怖を感じます。自分以外の他者から見られていると思うだけで、どうしようもなく激しい怖れを感じる。そういう状況を徹底して回避しようとする。これが社会恐怖の方の特徴です。

 そういう意味で、“特定の対象に対して自分では抑制できないほど激しい怖れを感じるか?”この問いであなたが何らかの恐怖症かどうかを判断することができるとも言えます。