お金の話になると緊張や不安が身体を襲います。これはおかしなことですか?

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私は商談中、お金の話をするところまでは随分スムーズに話を運べるのですが、いざお金の話になると強い緊張や不安が身体を襲います。営業の場面に限らず、社内でもお金関係の話をする時に限ってあがってしまいます。これはおかしなことなのでしょうか?






「他人にお金の話をしなくてはならない状況」では多くの人が“あがる”という経験をしています。決しておかしなことではなく、ごく自然なことです。





他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.117より


 あがってしまう状況はいくつも考えられる(中略)なかでも、とくに問題にされているのが、「他人にお金の話をしなくてはならない状況」である。実際、私たちのクリニックを訪れた人たちに、どういう時にあがるかを尋ねると、「誰かにお金の話をしなくてはならない時」という答えが数多く返ってくる。

 たとえば、就職面談で「御社の新入社員の基本給はいくらですか?」と尋ねる時、上司に昇給を願いでる時、商売で仕入れた先に値引きを要求する時、友だちに貸したお金を返してくれるよう要求する時……。

 とにかく、他人にお金の話をするのが苦手であるがために、結局はいつも自分が損をしてしまう、と悩む人たちが後を絶たないのだ。


 私達が生きている世の中は資本主義社会と呼ばれ、資本の運動が社会のあらゆる基本原理となっています。お金(日本銀行券)を媒介物として世の中がまわっている限り、手段やツールとしてのお金はなくはてはならい存在です。ただ、人間という生き物は本来はただの紙切れやコインであるはずのお金を絶対視し過ぎてしまう。あるいはお金に対して手段やツール以上の価値観や考え方、意味付けをしてしまうのも事実です。

 特に、お金に関して適切な教育環境が整っていない現代では、お金に対してポジティブなイメージを持つ人よりもネガティブなイメージを持つ人が実際に多いと思います。そのため、本書でも紹介されているとおり、ネガティブなイメージ(だと勝手に思われている)がつきまとうお金の話を第三者にしようと思えば、正常な人でも強い緊張や不安を伴います。

 対人関係に不安を抱える、あがり症や対人恐怖症の方は特に「他人にお金の話をしなくてはならない状況」では多くの人が“あがる”という経験をします。これは決しておかしなことではなく、ごく自然なことです。