あがり症改善におけるスキーマとは一体何なのでしょうか?

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あがり症について色々と調べていくなかで「スキーマ」という言葉を見つけました。スキーマを見つけてそれを改善すればいいという記述を見つけましたが、そもそもあがり症改善におけるスキーマとは一体何なのでしょうか?





スキーマとは、その人の物の見方や考え方を方向づけている枠組みのこと。あがり症をはじめとする社会不安を抱える方の心の奥底に潜むスキーマを見つけ出し、それを改善する。これこそがまさに社会不安から回復する唯一の手段といえます。






他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.181より


 <社会不安>を感じる人は、心の奥に<絶対的信念>を隠し持っている。(中略)<絶対的信念>は、彼らが自分自身に課した個人的な決まりごとであって、たいていは「〜しなければならない」、「〜すべきである」という命令調で自らの行動を律している。

 こうした<絶対的信念>は、心理学的には<スキーマ(認知図式)>と呼ばれている。


 スキーマ (schema)とは、もともと図や図式や計画のことを指す言葉で、今では様々な分野で広く用いられる言葉です。「スキーム」(scheme) とスキーマはほぼ同じ意味ですが、一般にスキームが具体的にほとんど完成された計画や図を意味するのに比べて、スキーマはおおまかなそれを指すことが多いと言われます。

 あがり症や社会不安など心理学や認知発達の理論において使われる場合、スキーマとは心理的な描写(心象、概念)のことを指します。心像とは、過去の経験や記憶などから、具体的に心の中に思い浮かべたもの意です。

 スキーマとは、わかりやすく言えば、その人の物の見方や考え方を方向づけている枠組みのことで、過去の経験や生まれ育った環境、これまで受けてきた教育などその人のバックグラウンドに影響されて、人の心のなかに無意識に形成されていくものです。

 このスキーマですが、いったん形作られてしまうと、それは揺るぎない堅固なものになります。ですから、心理療法(物理的・化学的手段に拠らず、教示・対話・訓練を通して認知・情緒・行動などに変容をもたらすこと)をもってしても、これをくつがえすのは相当難しいといわれています。

 あがり症をはじめとする社会不安を強く感じる人の場合、残念ながらなかなか自力で自分自身のスキーマを修正できないのが現状です。相談者がスキーマを修正できるようサポートする。社会不安を抱える方の心の奥底に潜むスキーマを見つけ出し、それを改善する。これこそがまさに社会不安から回復する唯一の手段といえます。