緊張する場面でどのようにメンタルをコントロールすべきですか?

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緊張する場面に遭遇すると、いつも心臓がドキドキし、身体が震え、大量の汗をかいてしまいます。これらの反応がますます緊張を助長してしますのですが、こういう場合、どのようにメンタルをコントロールすればいいのでしょうか?





身体反応をよいものだと解釈する、行動のきっかけだと思う。そういった解釈ができるだけで高いパフォーマンスを発揮することができるかもしれません。





なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.172より


 学生たちにかなり難しい数学のテストを受けてもらった。テスト後に、アンドルーは全員に小さい試験管のなかに唾を吐いてもらい、それぞれの人のコルチゾールのレベルを測った。(中略)ストレスのある状況に陥ると、コルチゾールの分泌が盛んになるので、これはよく「ストレスホルモン」と呼ばれている(中略)

 学生のなかにはコルチゾールの値が高くなるにつれて、数学の問題がうまく解けなくなる人もいる。ところが、それとはかなり異なったパターンの結果を示す学生もいた。コルチゾールの値が高いほど、高い点数をとっていたのだ!


 別のよくあるご質問で、強い緊張や不安を感じることで現れる身体的な特徴や反応を紹介したことがありますが、強い緊張や不安をおぼえると、胸が少しドキドキする、あるいはちょっとした身震いがおこるということは誰にでも経験があるはずです。

 本書では数学にたいして過度に不安を抱く人を“数学不安”と呼んでいますが、数学不安の強い人は、数学のテストを受ける場面に直面すると手が汗ばんだり、胃がむかついたり、コルチゾールの値が跳ね上がりました。一方で、数学不安の少ない学生も、テストになると同様にコルチゾールの値が高くなり、それに付随して体の反応が見られたことも忘れてはなりません。

 コルチゾールの値が高くなる(強いストレスの)なかで、パフォーマンスを落とした学生とそうでない学生、両者に違いをもたらしたのは“自分自身の身体反応に対する解釈の仕方”でした。

 強いストレスの中でもパフォーマンスを落とさず、むしろ成績を上げた学生は、動悸が激しくなる、身体が震える、汗をかく、といいった自分自身の身体反応を「心臓がドキドキしているから、やる気がでているという意味に違いない」など成功へのきっかけとして解釈していました。

 一方で、強いストレスの中でそのパフォーマンスを著しく落としてしまった学生は「ああ、しまった、心臓がドキドキしている。いまは本当にプレッシャーを感じている」などと解釈し身体反応を悪い意味に解釈していたのです。

 非常にストレスの多い状況に陥ったときに、その状況に対する身体反応をよいものだと解釈する、行動のきっかけだと思う。そういった解釈ができるだけで高いパフォーマンスを発揮することができるのかもしれませんね。