苦しい練習に耐えて精神力を鍛えるのがメンタルトレーニングですか?

あがり症克服方法  > よくあるご質問(FAQ)  > 苦しい練習に耐えて精神力を鍛えるのがメンタルトレーニングですか?


苦しい練習に耐えて精神力を鍛えるのがメンタルトレーニングですか?



最近ではメンタルトレーニングの研究もずいぶん進み、事情は変わってきました。トレーニング対象となる心の力をメンタルスキルという要素に分けて評価し、具体的なトレーニング方法を講じる。そういった方向に進んできています。






本番に強くなる メンタルコーチが教えるプレッシャー克服法
(白石豊著、筑摩書房)P.32より


 昔のように、「精神力=根性」と言われていた時代には、苦しい練習に耐えることだけがもっともよい心の鍛え方とされていた。しかし、最近ではメンタルトレーニングの研究もずいぶん進み、事情は変わってきた。(中略)

 たとえば体力トレーニングの場合には、まず体力を筋力、持久力、柔軟性、敏捷性などといった要素に分けて細やかな測定や評価を行い、その結果に応じて具体的なトレーニングプログラムが処方される。

 最近ではメンタルトレーニングでもこれと同じように、トレーニング対象となる心の力をメンタルスキルという要素に分けて評価し、具体的なトレーニング方法を講じるような方向に進んできている。


 スタジアムを埋め尽くす大勢の観客。あなたのチームやあなた自身、そしてライバルを鼓舞する応援団。大勢の観客は一つ一つのプレーに歓声をあげ、また拍手をする。スポーツの試合が行われるグラウンドは普段の練習場にはない光景や音に包まれ、ある意味異空間です。

 そうした“いつもと違う状況に身を置く”。異空間での強いプレッシャーのなかでも、日頃の実力を十分に発揮する。本書によれば、そんな

タフな精神力を、合理的かつ計画的に向上させるための方法

 がメンタルトレーニングだといいます。

 本書でも紹介されているとおり「精神力=根性」と言われていた時代には、苦しい練習に耐えることだけがもっともよい心の鍛え方とされていました。「野球部が練習中に水を飲んではいけない」などはまさにその典型です(これは、旧時代的、あるいは軍隊的な発想や思考が根拠になった非科学的な根性論でした)。

 ただ、最近ではメンタルトレーニングの研究もずいぶん進み、事情は変わってきました。非科学的な根性論でただただ精神力を鍛えようとするのではなく、科学的なアプローチでトレーニング対象となる心の力をメンタルスキルという要素に分けて評価する。そして、それぞれのアスリートにあった具体的なトレーニング方法を講じる。

 メンタルトレーニングはこういった、より科学的なアプローチになってきています。