あがり症の人は自分に否定的な相手をパートナーに選びがちと聞きました。そんな傾向があるのでしょうか?詳しく教えて下さい。 |
「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人が自分に対して否定的な相手をパートナーに選ぶ傾向にあるのは事実です。
あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。
そして「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人が自分に対して否定的な相手をパートナーに選ぶ傾向にあるのは事実です。
自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.149より 実際、ある研究によると、自己評価の高い人は自分に対して肯定的な人を、低い人は否定的な人を相手に選ぶ傾向にあるという。
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本書によれば、恋愛やパートナー選びにおいて「関係を長続きさせたいなら(あるいは結婚をするなら)、パートナーには自分のことを本当に知ってくれている人を選ぶ」。この傾向は特に自己評価の低い人、つまり、あがり症をはじめとする社会不安を抱える人に強く表れるといいます。
「自分に否定的な(あまり評価してくれないような)人を人生の伴侶に選ぶ」というのは一般的な考えからすれば、とても奇妙にうつります。
それでも自己評価の低い人というのは、現実を無視して手放しに自分を評価してくれるよりも、より現実に即した厳しい評価を下してくれる相手を選んでしまうのです。まさに、自己評価の低い人にとって自分を高く評価するというのは、狂気の沙汰としか思えないのです。
では、この傾向に逆らって、あがり症の方が、仮に自分に肯定的な相手をパートナーに選んだ場合はどうなるでしょうか。ネガティブな結末が待っているのでしょうか。これも一概にはいえません。
もしかしたら、パートナーのポジティブなフィードバックを受けるうちに「自分にも良い所があるのかもしれない」と思うようになる。これが、知らぬまにあなたの自己評価は上げる。結果としてより良い自己評価を手に入れてあがり症が改善する、ということにもなり得ます。
自分に批判的な相手を選ぶか、
あるいは肯定的な相手を選ぶか、
どちらがよいか、という判断は個人差があります。断定することはできません。ただ、「あがり症の人はセオリーとして自分に対して批判的な相手を(とりわけ結婚などの長期の関係を望む場合)求める傾向にある」というのは事実です。