演技性人格障害について教えて下さい。

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演技性人格障害について教えて下さい。

いつでもまわりの関心を集め、人に気に入られなければ不安になる。その反面、他人と安定した関係を築き、そこから満足感を引きだすことが難しいという特徴を持つ精神障害のひとつです。





自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.142より


 人を惹きつけたいという病

 こういった性格は以前はヒステリー性格と呼ばれていたが、現在では演技性人格と呼ばれ、その度合いが極端に進んだものは<演技性人格障害>として精神障害のひとつに数えられている。

 その特徴を挙げると、いつでもまわりの関心を集め、人に気に入られなければ不安になる。その反面、他人と安定した関係を築き、そこから満足感を引きだすことが難しい、などが言える。(中略)

 演技性人格の人は誰かと長続きする関係をつくるよりも、相手を変えて人を惹きつけていくことのほうに満足感を見いだすのだ。

 そうして、誰かを惹きつけると安心するいっぽう、関係を続けて自分をさらけだし、それによって相手を失望させるのではないかと思うと、激しい不安を覚える。これは明らかに自己評価の病でもある。


 演技性人格障害(演技性パーソナリティ障害とも)は、日常生活の中において役者の演技のような行動をする。その結果、自分が注目の的とならなければ大きなストレスを受けるため、自己破壊的な行動や挑発的な性行動を取ったりする精神疾患です。

 まわりの人を耐えず惹きつけて自己評価を高めようとするいっぽう、基本的なところでは自分の魅力や人間関係の作り方に自信を持つことはできません。つまり自己評価が低いのです。

 本書によれば、誰かを魅了したり、性的に魅力があるとなれば、その部分に限っては自己評価が上がるものの、恋人にしろ配偶者にしろ、パートナーをそばにとどめておくことができなければ自己評価は下がるといいます。

 いわば、演技性人格の人は自己評価の袋小路に入り込んでしまっているといえます。