目前のやるべきことから注意が外れ、ミスや結果を気にしてしまいます。

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私はつい、目前のやるべきことから注意が外れて、ミスや結果ばかりを気にしてしまいます。これはやはりあまり良くないことなのでしょうか?




目前のやるべきことから注意が外れてしまって、やってしまったミスや結果ばかりを気にするようになると、人はさらなるミスを繰り返すようになってしまいます。





本番に強くなる メンタルコーチが教えるプレッシャー克服法
(白石豊著、筑摩書房)P.61より


 目前のやるべきことから注意が外れてしまって、やってしまったミスや結果ばかりを気にするようになると、

 人は感情をコントロールする力を失い、さらなるミスを繰り返すようになってしまう。


 ゴルフのショットをなかなかグリーンにのせることができないAというプレイヤー。彼はコーチにこんなアドバイスをもらいます。「とりあえずボールを5つ並べて、そのボールだけを見て5球連続で打ってみましょうか」彼は言われたとおりに、グリーンも何もみず5球連続でボールを打ちます。

 するとどうでしょうか。彼が見上げてグリーンのほうへ目をやると、グリーン上には彼の打った球が5球全てのっていたのです。

 これは、目前のやるべきことから注意が外れてしまって、やってしまったミスや結果ばかりを気にするようになると、人は感情をコントロールする力を失い、さらなるミスを繰り返すようになってしまう。一方で、目前のやるべきことだけに集中して、ミスや結果に気を散らさなうなると集中力が増して高いパフォーマンスを維持することができる典型例として紹介される話です。

 よくプロのアスリートは

「目の前の試合に集中し、順位は気にしない」や

「目の前の1試合、1試合をとにかく集中していきたい」

 といったことを試合前後のインタビューでコメントしたりします。実はここに非常に重要なアイデアが含まれていることを見逃してはいけません。

 本書で紹介されている通り、目前のやるべきことから注意が外れてしまう、やってしまったミスや結果ばかりを気にするようになってしまう。こうなってしまえば、なかなか大きな結果を得ることはできません。

 例えばあなたが“トーナメント戦で優勝を目指すチームのいちプレイヤー”であると想像して下さい。あなたやあなたのチームの最終的な目標はトーナメントを優勝することです、しかしあなたがいつもそのことをばかりを考えてプレーした場合はどうでしょうか。果たして高いパフォーマンスを維持できるでしょうか?いいえそんなことはおそらくありません。

 トーナメントで優勝するためには、まず目の前の1試合1試合に集中する必要があります。二回戦であたるAというチームへの対策を練る前に、まずは初戦の対戦相手であるBというチームへの対策を練る必要があります。

 もっといえば、試合中は目の前のプレー、ひとつひとつに集中する必要があります。試合時間のなかで、トーナメント全体のことを考えることや、次の試合のことを考える必要は、極端なことをいってしまえばいらないのです。

 今、この瞬間のプレーひとつひとつ、今日あなたがプレーしているこの試合に集中することが重要なのです。

 ミスが目立つ、あるいはミスを繰り返している場合はやってしまったミスや結果にばかり気を向けない。逆に目の前のやるべきことだけに注意してみると、高いパフォーマンスを発揮できるかもしれませんね。