営業職です。あがり症でうまく営業トークをしゃべることができません。

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あがり症なため、訪問先でうまく営業トークをしゃべることができません。売れないのは自分のトークが下手なせいだというのはわかっているのですが、どうすればよいでしょうか?




あなたがうまくしゃべろうとしないことが逆に“営業っぽさ”を消して信頼を生むことにつながります。ぜひ、素のままの営業トークが上手でないあなたを出してみてはいかがでしょうか?きっと、予想外にお客さんから信頼を勝ち得ることができるはずです。








営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく(渡瀬謙著)P.18より

 セールストークを憶え、なんども繰り返し練習して、相当にうまくなっているというのに、どうにもそれが実績につながっていないという人は多いのではないだろうか。私もそのひとりだった。

 「売れないのは自分のトークがヘタなせいだ」

 そう思い込んで、慣れないセリフを懸命に憶えて商談に向かう。それでもやっぱり売れない。すると今度はもっと感情を込めてしゃべる練習をしてみる。鏡を見ながら身振り手振りを交えて話す。何度も何度も練習したので、自分じゃないくらいにうまくしゃべれるようになる。

 でもそのとき気づいていなかった。普段のしゃべりと憶えてきたトークとのギャップに。

 そう、商品説明になると、とたんにうまくしゃべり出す私に、お客様は違和感を覚えていたのだ。こちらもせっかく憶えたセリフなので、うまく言えることが気持ちいい。ついつい、しゃべることばかりに集中してしまっていた。

 相手が興味を持って聞いているかどうかなんてお構いなしに。


 本書によれば、営業マンがうまくしゃべる(営業トークする)ほど相手(顧客)の心は離れていくという困った現象につながるといいます。うまくしゃべれば喋るほど「売れない」という逆スパイラルに陥ってしまうのです。

 営業手法や営業に対するアプローチは人それぞれなので、これは一意見として聞いてほしいと思いますが、一般的に“うまくしゃべる”というのは、とても「営業っぽい」ことになります。

 現代における消費者(顧客)の購買行動というものは、営業マンに勧められて何かを買うというよりも、検索エンジンや通販サイトで買いたいものを検索する→その結果、自分で購買を決定して買いたい、という気持ちが強くなっています。

 言い換えれば、消費者は営業されるのを避ける傾向にあるのです。そこへ、“いかにも”という感じで営業マンが営業トークをする。果たして、そこでモノは売れるでしょうか。おそらくそのような営業がうまくいくとは考えられません。

 

営業は口ベタ・あがり症だからうまくいく(渡瀬謙著)P.19より

 これからの営業は、いかに「営業っぽさを消すか」というのが大きなポイントとなってくる。その意味からも、うまくしゃべろうとしないほうがいいのだ。


 本書で述べられている「営業っぽさを消す」というのは非常に重要な概念です。

 例えば「カバンや時計、スーツなどあまり上等なものは身につけない」これは個人相手の営業でよく言われることです。これは、あまりに高価な時計や上等なカバンやスーツを身につけていることが「“売れている営業マン”=私たちも売り込まれてしまう」ということを連想させるといいます。(※法人営業の場合は、逆に上等なスーツや高価な時計がその人の信頼性を生むことがあります)

 そのため、個人営業でトップセールスの成績をあげる人の多くはシンプルなダークスーツにセイコーの時計、カバンもノンブランドを身につけ、清潔感のみといった格好で営業に行くといいます。これも「営業っぽさを消す」という手法の一つです。

 あがり症の方は、もととも相手のニーズをうまく汲むことができる、あるいは控えめで、親切で、むやみにでしゃばったり自己主張したりしない点が相手に好印象を与えるということを思い出して下さい。

 あなたがうまくしゃべろうとしないことが逆に“営業っぽさ”を消して信頼を生むことにつながります。ぜひ、素のままの営業トークが上手でないあなたを出してみてはいかがでしょうか?きっと、予想外にお客さんから信頼を勝ち得ることができるはずです。