買い物をすることであがり症が改善することはありますか?

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私はあがり症ですが、買い物(ショッピング)をすることであがり症が改善することはありますか?



買い物という行為は自己評価を上げることにつながりますが、根本的なあがり症の治癒にはつながりません。



 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 買い物という行為は自己評価を上げることにつながりますが、根本的なあがり症の治癒にはつながりません。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.293より


 私たちはよく「企業は必要以上の物を買わせようとする」と言って消費社会を批判する。

 実際、さまざまな広告やマーケティング戦略によって、私たちはいつも消費の欲望をあおられている。だが、いくら企業のやり方が巧みだからといって、それだけで人は物を買うものだろうか?

 目には見えなくても、そこにはきちんとした理由があるのではないだろうか?たとえば、自己評価を上げるという理由が……。そうなのだ!買い物というのは自分の価値を上げるための手段でもあるのだ!たとえ、その効果が一定せず、長続きしないものであっても……。

 そして、企業や広告代理店はそのことをよく知っているのである。したがって、特に贅沢品を扱う企業は<この品物を買えばひとつ上のクラスに仲間入りできる>と消費者にささやきかける。(中略)

 よい店員というのはお客の自尊心をくすぐり、自己評価を高めてやるコツを知っているものだからである。


 “より良い自己評価を形成していくことがあがり症を改善する”と考えた場合、また低い自己評価を原因とするあがり症を改善していこうと考えた場合、自己評価を上げる努力をすることは非常に効果的です。

 自分自身の自己評価を上げる方法は様々ありますが、そのうちの一つが買い物(ショッピング)です。

 買い物という行為(厳密に言うと“買うという行為”)自体には人の自己評価(価値)を上げる効果があります。

全く困っていないのに新しいモノを買ってしまう

同じようなモノを持っているのに買ってしまう

壊れていないのに新製品を買ってしまう

 あなたもそんな経験があると思いますが、こういった購買行動を起こしてしまう大きな要因の一つが「自分の自己評価を高めたい」という人間の衝動です。

 本書によれば、精神科医のもとには、必要もなく、本人の支払い能力も超えているにもかかわらず強迫的に買い物をしてしまうという相談者がよく訪れるといいます。こういった相談者は往々にして自己評価が低いのです。

 一般的に自己評価が低い傾向にあるあがり症の方も、その低い自己評価を上げようと衝動買いをしてしまう、クレジットカードの限度いっぱいまでブランド品を買ってしまう、といったことがあります。

 ただ、繰り返しますが“買い物という行為は自己評価を上げることにつながりますが、根本的なあがり症の治癒にはつながりません”。趣味としての買い物やショッピングを否定するつもりはありませんが、自己評価を上げるための買い物はほどほどにしておきましょう。