怒りのパワーがパフォーマンスや成績を上げることはありますか?

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テレビや漫画のキャラクターは、よく怒りのパワーをきっかけに強くなったり、高いパフォーマンスを残したりします。現実世界で怒りのパワーがパフォーマンスや成績を上げることはありますか?





怒りの感情が人間のパフォーマンスを向上させることはまずありませんし、もちろん健康にもよくありません。




本番に強くなる メンタルコーチが教えるプレッシャー克服法
(白石豊著、筑摩書房)P.63より


 “怒り”の感情が心を支配すると、体の中ではとてもよくない生化学的反応が起こってしまう。

 怒ることで交感神経が異常に興奮して、アドレナリンやノルアドレナリンが大量に分泌され、その結果、心拍数や血圧が急激に上がり、筋肉はかたくなって一度に疲れてしまうのである。

 昔から、「怒り(短気)は損気」とはよく言ったもので、怒りの感情が人間のパフォーマンスを向上させることはまずないし、もちろん健康にもよくない。


 テレビでスポーツ中継を観戦していると、たとえあなたが見ている中継が格闘技とは全く関係なくても

選手同士が取っ組み合いのケンカをしそうになる。

選手が審判の判定に怒りをあらわにする

 といったシーンを見かけることは多くあります。テレビ越しに落ちついた環境で試合を観戦している私たちからすれば「もっと冷静になればいいのに」と思うこともよくあります。

 ただ、選手生命を脅かすようなラフプレーに当事者であるプレイヤーが激怒すること。また、一つ一つのプレーが選手のキャリアを左右するプロの世界では、その判定一つをとっても、選手が冷静さを失ってしまうこともうなずけます。

 怒りをあらわにする選手はバットやクラブをへし折り、ボールを叩きつけ、時には人間相手に殴ったり蹴ったりしてしまうこともありあす。あのタイガー・ウッズでさえ短いパットをはずしてパターをへし折ってしまったことが何度もあったといいます。

 ただ、本書でも紹介されているとおり“怒り”の感情が心を支配すると、体の中ではとてもよくない生化学的反応が起こります。

 ノルアドレナリンが多すぎれば心が不安定になりますし、アドレナリンが大量に分泌されることで筋肉がかたくなってしまい、疲労を招いてしまうことすらあります。

 テレビや漫画のキャラクターは、怒りのパワーをきっかけに強くなったり、高いパフォーマンスを残したりしますが、現実世界では怒りの感情が人間のパフォーマンスを向上させることはありませんし、もちろん健康にもよくありません。