社会恐怖(社会不安障害)内気の違いはなんですか?

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社会恐怖(社会不安障害)と内気の違いはなんですか?

内気な人は、初めて会った相手と話をする時に不安や気おくれを感じますが、会う回数を重ねるにつれて徐々に不安はやわらぎます。一方で、社会恐怖(社会不安障害)の方は、相手と親しくになるにつれて不安が増していく点で正反対です。






他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.124より


 <内気>な人がもっとも怖れている対象とは何か?それは圧倒的に、「初対面の人」(70%)と「異性」(64%)である。<内気>な人は、初めて会ったばかりの相手と話をする時に不安や気おくれを感じるが、会う回数を重ねるにつれて徐々に不安がやわらいでくる。

 これは相手と親しくになるにつれて不安が増していく<社会恐怖>とは正反対で、だからこそ<内気>は精神疾患とはみなされていないのだ。


 本書で紹介されている内気を自称するある男性はこう言います。

 「ぼくの場合、ものおじしてしまうのは、初対面の人と話しをする時と、思いがけないところで予想外の人に出会った時だけなんだ」

 “初めて会ったばかりの相手と話をする時に不安や気おくれを感じるが、会う回数を重ねるにつれて徐々に不安がやわらいでくる”、“初対面の人と話しをする時にものおじする”

 これはごく自然なことです。例えば、入学式や入社式ではぎこちない関係だった同級生や同期の人間とも、数ヶ月〜数年という時間の経過とともに徐々に打ち解け、気おくれはなくなってく。あなたもこんな経験をしたことがあるはずです。

 「内気」という言葉の学術的な定義は存在していませんが、気おくれしなくなるまでに要する時間は人それぞれで、この時間が長くかかる場合、一般的に内気な傾向が強いと思われます。一方で、社会恐怖(社会不安障害)の方は、相手と親しくになるにつれて不安が増していく点で正反対です。これがあがり症や対人恐怖と内気との大きな違いです。


内気?それとも社会恐怖?

内気 社会恐怖
他人から無視されるのが怖い 他人から侮辱されたり攻撃されたりするのが怖い
他人に自分の存在を受け入れてもらいたい 他人に自分の存在を忘れてもらいたい
初対面の時に気おくれを感じるが、何度か会っているうちに少しずつ不安がおさまってくる 何回会っても不安はおさまらず、むしろ逆に高まっていく(親しくなっていくにつれて、自分の本質を見抜かれるのが怖くなってくるため)
たくさん人がいるところでは気おくれを感じる たくさん人がいるところではパニックに陥る
仕事やパフォーマンスを低く評価されると失望を感じる 仕事やパフォーマンスを低く評価されると恥ずかしさを感じる
人づき合いをしたい気持ちが、失敗を怖れる気持ちを上回っている 恥をかくのを怖れる気持ちが、人づき合いをしたい気持ちを上回っている
人前で不安を感じると、おどおどしてしまうので、他人の目が気になる 人前で不安を感じると、動揺をかくそうとするため、自分のことばかり気がとられる
他人に親しげに接してもらえると、安心する(「自分のほうから近づいて行かなくてもいいんだ」) 他人に親しげに接してもらえると、困惑し不安を感じる(「これは本心なのだろうか?」「いったいどうすればいいんだ?」)

他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)より