あがり症というのは生まれつき持っている先天的な要因でなってしまうものですか、あるいは後天的な要因が大きくてあがり症になっていくものなのでしょうか? |
ほとんどの精神疾患がそうであるように、あがり症をはじめとする社会不安についても先天的要因と後天的要因が複雑に絡み合っていることが明らかになっています。
他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.187より 私たちが<社会不安>を感じるようになる要因は、大きく三つに分けることができる。それは、「生物学的要因」(遺伝)、「心理学的要因」(家庭環境、過去の経験など)、「社会学的要因」(時代、文化など)、の三つである。
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本書でも紹介されていますが、ほとんどの精神疾患がそうであるように、あがり症をはじめとする社会不安についても先天的要因と後天的要因が複雑に絡み合っていることが明らかになっています。つまり、先天的な要因と後天的な要因の両方があるということです。
先天的要因と後天的要因をそれぞれより細かく分類していくと、社会不安を感じるようになる要因として
「生物学的要因」(遺伝)
「心理学的要因」(家庭環境、過去の経験など)
「社会学的要因」(時代、文化など)
の三つの要因があると考えられています
「生物学的要因」(遺伝)
別のよくあるご質問のなかで、そもそも遺伝的な問題で、「不安や緊張を感じやすい人」と「そうでない人」がいることは事実であると紹介したことがありますが、
私たちは誰でもみな遺伝の大きな影響を受けています。そして、これらの遺伝から受ける影響は、かなり幼いころからその傾向が現れるといわれています。これは先天的な要因といえます。
「心理学的要因」(家庭環境、過去の経験など)
遺伝という土台の上に積み重ねられていく地層となるのが家庭環境や個人の経験です。幼い頃にどんな親からどんなふうに育てられたか。教育方針や愛情のもらい方、親の言動などは、本人が将来社会不安を感じるかに多いに関係してきます。これは後天的な要因といえます。
「社会学的要因」(時代、文化など)
本人が生きている時代や生まれ育った土地の文化なども、社会不安を感じるかどうかに関係していきます。これも後天的な要因といえます。