恋愛感情がない異性を誘う時にあがってしまうのはなぜですか?

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恋愛感情が全くない相手でも異性を誘う時に強い緊張や不安を感じてしまいます。なぜ恋愛感情のない異性を誘う時に、こんなにもあがってしまうのでしょうか?




「異性を誘うという行為=その異性と恋愛関係を結ぶプロセスの第一歩」という意識が強いことが挙げられます。



 別のよくあるご質問で、「他人にお金の話をしなくてはならない状況」が特にあがってしまう状況の典型であるという話を紹介しました。

 この他人にお金の話をしなくてはならない状況と同様に、強い緊張や不安を覚え、あがってしまう状況ランキングの上位に数えられるのがこの「異性を誘う時」と言われています。

一緒にお昼を食べに行かない?

週末に新しく始まった映画を見に行かない?

仕事の後に一杯飲みにに行かない?

 などなど。同じオフィスで働く仕事場の同僚など、普段はその異性と親しく話ができるのに、いざ二人でどこかへ行ったり何かしようとプランを提示するのにはなぜか気おくれを感じてします。ご質問頂いたとおり、それがたとえ恋愛感情の全くない相手であったとしてもです。

 どうして「異性を誘うこと」はこんなにも人をあがらせてしまうのでしょうか?


他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.118より


 なぜか気おくれを感じてしまう。それがたとえ、恋愛感情のない相手であったとしても……。それはいったいどうしてなのだろう?

 そのいちばんの原因として、誘いをかけている当人に、「異性を誘うという行為=その異性と恋愛関係を結ぶプロセスの第一歩」という意識が強いことが挙げられる。だからこそ、たとえわずかな時間であっても、「じゃあ、喫茶店に入ってコーヒーでも飲もうか?」と相手を誘うことに、恥ずかしさやためらいを感じてしまうのだ。


 つまり、誘う異性に対して恋愛感情を抱いていようといまいと、それは関係がないこと。誘いをかけるという“行為そのもの”が、多かれ少なかれ“恋愛関係を結ぶプロセスの第一歩”という“意識が強い”ことが要因です。

 この“意識”というのが非常に重要で、例えば、仮に当人の二人が互いに恋愛感情がないと理解しあっていても、

二人でいるところを傍から見たら“そう見える”、

あるいは第三者がその話を聞けば“そうも思える”

 というのがこの意識の根幹のひとつにあります。余談になりますが、非常に興味深いこととして、誘いを受けた異性(本書では女性として紹介)も同様の心理が働いているといいます。


他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.118より


 いっぽう、誘いを受ける女性のほうにも同じような心理が働いている。男性からの食事や映画への誘いをことごとく拒絶する女性が時折いるが、それは、一緒にいる時にもし相手に言い寄られてしまったら「ノー」と言えないから、

 という理由による場合が少なくない。つまり、相手の要求や願いをはねつけることに不安を感じるからこそ、最初から誘いには応じまいとするのである。