わたしはあがり症です。職場の雰囲気に馴染むことができません。上司や同僚とも上手くいかず、上司と話をするとストレスはたまりますし、同僚とランチに行くのも気まずく、出社するのがとても辛いです。ただ、周りの人間に相談するとやはり一つの会社にずっと勤め続けることをすすめられますし、社会人として甘すぎると叱られます。自分でも確かにそうだとも思い、困っています。 |
無理に同じところにいるよりは、別の職場(や環境)で新しい可能性が開けるかもしれません。
「緊張」から自分を救う本 アガリ症を逆手にとる方法 人の事情や立場はそれぞれですが、世の中に、絶対にやめてはいけないことや、逃げたり、避けて通るのが許されないことなんて、実はそんなにたくさんはないのではないでしょうか。
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あがり症をはじめとする社会不安の方に「無理に上司と会う必要もないし、同僚とも一緒にランチに行かなくてもいい」といった“嫌ならやめてもいい”という逃げ道づくりの考え方を伝えると、多くの方は
「そんなことは絶対にできない」
「社会人だしそうやって逃げ出すわけにはいかない」
「大人としてそんなこと許されない」
「職場はチームワークが大事だから和を乱すことは無理」
「お世話になっている人を避けることはできない」
という、一見すればもっとな理由を並べてくれます。これらは、ある意味では当然の人間心理とも言えます(“会社から給与をもらって生計を立てている社会人としての常識”とも言い換えることができるかもしれません)。
確かにこれらの考え方は重要です。しかし、一方で、これらの考え方があるがゆえにあなたが苦しんでいるということも、あなた自身が理解してあげる必要があります。
抑圧されたり、疑問を感じながら日々を過ごす。義務感や責任感だけで、つらい自分にムチをうってしまう。会社にいくのが辛く、会社で誰かと接するのもいつも緊張している。嫌々ながら今の環境を変えることができない。こうなってしまっては、本末転倒なのではないでしょうか。
あなたが一番大切にしなければならないのは、世間一般的に言われている義務感や責任感でしょうか、それともあなた自身でしょうか。上記のような状態を続けてしまうのは精神衛生上良いとは決していえません。
本書にあるとおり、一つの会社にずっと勤め続けることも、それは立派なことだと思いますが、出社できなくなるほどつらい思いを抱えながら、無理に同じところにいるよりは、別の職場で新しい可能性が開けるかもしれません。同じ場所でずっと暮らすのもいいけれど、思い切って引っ越して、また違った気分になれることだってあります。
本当に、すぐにやめてしまおうということではありません。あなたの「心のバランスを大切にするために、それくらいのことはやってみてもいいのではないでしょうか?