あがり症など社会不安関連の情報を集めている時にノーマライズという言葉を見つけました。カウンセリングにおけるノーマライズの意味を教えて下さい。 |
カウンセリングでは「当然のことだよ」や「どこもおかしくなんかない」、「特別でも何でもない」といった声掛けを「ノーマライズ」と言います。
別のよくあるご質問のなかで、緊張しがちな人は、いつも相手のことを気づかい、心配りをして、自分よりも周りのことを大事にする傾向が強いことや、人に対する観察眼や感受性、想像力が豊かなため、きめの細かい気配りができて相手の状況やニーズをとらえるのがうまい、ということを紹介したことがありますが、
あなた自身が緊張しやすいタイプの人である場合、あなたは話し相手が緊張している時に「あっ、この人いつもの自分のように緊張しているな」とすぐに気付いてあげることができるのではないでしょうか?
そしておそらくこんな言葉をかけているのではないでしょうか。
「緊張」から自分を救う本 アガリ症を逆手にとる方法 緊張しやすい人が、緊張している人の話を聞いているときに、たぶんとてもよくやっているんじゃないかと思うことがあります。 「それほどイヤなら、もうやめちゃってもいいんじゃないの」 「そんなに頑張らなくてもたぶん大丈夫だと思うよ」 「もっと自分の好きなようにやってみたらどうなのかな」 「そんなに気にしなくても、わかってくれる人もちゃんといるよ」 (中略)ひと言でいえば、「逃げ道づくり」です。
「そういうときには、それは緊張するものだと思うよ」 「別に全然ダメでもヘンでもないんじゃない」 「あなたがそんなに特殊な人だなんて、私には思えないけど」 |
この「当然のことだよ」や「どこもおかしくなんかない」、「特別でも何でもない」といった声掛けを「ノーマライズ」と言います。
ノーマライズ(normalize)は直訳すると、<関係・状態などを>(前の)標準に戻す、正常化する、という意味です。英語では「normalize relations with China between the two countries」で「中国との両国間の関係を正常化する」という形でノーマライズという単語が用いられます。まさに“前の標準な状態に戻す”、“正常化する”という意味です。
あがり症や社会不安の傾向にある人は、自分自身に対するネガティブな思い込み、つまり、低い自己評価をしてしまいがちだという話を紹介したことがあります。ただ、その自己評価というものは大抵の場合、“過度に低いもの”であり、カウンセリングではこの“過度に低い部分”をノーマライズ(正常化)して、前の標準な状態に戻すことを行います。
また、あがり症や社会不安の傾向にある人は“かくあるべし”という考えが非常に強く、常に完全を求め過ぎて高すぎる理想を抱く。これが現実とのギャップに苦しみ、理想と違う自分に劣等感を感じてしまう傾向にある、という話を紹介したこともあります。この場合、“高すぎる理想”や“自分に求め過ぎてしまう理想(基準)”をノーマライズ(正常化)するアプローチが有効となります。