イップスについて教えて下さい。

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イップスについて教えて下さい。

イップスは手足の無意識な痙攣や震えで、そのために細かい運動技能に支障がでることです。



 スポーツの世界に少しでも関わったことがある方であれば、イップスという言葉を聞いたことがあるかもしれません。

 ではイップスとは正確にはどのようなものなのでしょうか?


なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.252より


 ごく基本的なレベルで言えば、イップスは手足の無意識な痙攣や震えで、そのために細かい運動技能に支障がでることだ。

 通常はゴルフのパットに関連して言われるが、イップスはほかのスポーツでも見られる。アーチェリーでは、イップスは「ターゲット・パニック」もしくは「ターゲット・フィーバー」という違う名称で知られている。(中略)

 ニューヨーク・ヤンキースの元二塁手のチャック・ノブロックが突如として一塁に送球できなくなっていることに気づいたとき、直面したものでもあった。シャキール・オニールがフリースローを苦手とするのも、イップスの症例だと推測する人すらいる。


 イップスとは“手足の無意識な痙攣や震えで、そのために細かい運動技能に支障がでること”をいいます。

 イップスというと、ゴルフをはじめとする様々なスポーツを想像される方が多いかもしれません。ただ、本書によればイップスはスポーツ以外の場面でもその影響をおよぼすことが知られているといいます。

 イップスは音楽家や速記者、歯科医、外科医など幅広い職業に従事している人々も苦しめます。特に細かい動きにかかわる筋肉を酷使する人びとが、最もイップスになりやすいと言われています。

 では、いったい何が原因でこのイップスが起こってしまうのでしょうか。

 当初、イップスは不安な感情やストレスに関連する純粋に心理的な現象だと考えられていましたがが、いまではイップスには身体的な原因もあると研究者は考えています。

 実際、イップスはいまやジストニアの一形態として説明されることが多くあります。ジストニアは無意識の動作が典型的な症状である神経障害で、体の一部をひねったり痙攣させたりする結果になります。

 また、最近の研究ではイップスには二種類のタイプがあることもわかっています。


なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.253より


 イップスの症状が見られるゴルファーを何十人も研究した結果、ミネソタ州メイヨークリニック・スポーツ医学センターのエインズレイ・スミスと共同研究者らは、実際に二種類のイップスがあるという結果に達した。

 タイプIのイップスは限局性筋失調症の一種である。タイプIIのイップスはうまく実行できるか心配するあまり、自意識とパフォーマンスへの注意が高まることから生じる。つまり分析による麻痺だ。

 タイプIとタイプIIはそれぞれ異なったプロセスが特徴となっている。


 ※ジストニアとは、脳や神経系統の何らかの障害により、持続的または不随意的に筋肉が収縮したり固くなったりする難治性の疾患をいいます。