子があがり症になってしまうことにその親自身や教育方針、育て方などは関係してくるものなのでしょうか? |
子どもの社会不安に対する親の影響力の大きさを、決して軽視することはできません。そこには大きな関係性や影響力があります。
他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.196より 子どもの<社会不安>に対する親の影響力の大きさを、決して軽視することはできない。実のところ<社会不安>を感じる子どもたちの親が、何らかの心理的な障害を抱えていることは少なくない。
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別のよくあるご質問のなかで、遺伝という土台の上に積み重ねられていく地層となるのが家庭環境や個人の経験であり、幼い頃にどんな親からどんなふうに育てられたか、教育方針や愛情のもらい方、親の言動などは、本人が将来社会不安を感じるかに多いに関係してくる。という話を紹介したことがあります。
本書によれば、親が内気や人見知りである場合、その子どもは親の行動を無意識に真似ているうちに、同じように内気や人見知りになってしまうことがあるといいます。
あなたが小さい頃のあなたの親を想像して欲しいと思いますが、
両親が人付き合いが得意で自宅に訪問客が多く訪れる。週末にはよく自宅でホームパーティーが行われ、各自が手料理を持ち合って、酒を飲みながら楽しそうに過ごしている。こんな風景を見ている子どもがいる一方で、
両親が人付き合いが苦手で自宅にはめったに訪問客が来ない。当然、子どもは他人に慣れる機会をなかなか得られなくなります。これは子どもに対して大きな影響力を与えると考えられます。
また、親自身が決してあがり症や内気や人見知りでないにも関わらず、
「誰かにだまされないように気をつけること」
「他の人に迷惑をかけないように気をつけること」
「みんなの言うことはきちんと聞くこと」
など、親かから子どもへあまり過剰に注意を促しすぎてしまうことで、子どもは他者の評価や反応に敏感な子に育ってしまうという危険性もあるのです。子どものあがり症をはじめとする社会不安に対する親の影響力の大きさを、決して軽視することはできないといえるでしょう。