普段は非常に優秀な成績を残す人間が、プレッシャーや強い緊張を感じる本番になるとそのパフォーマンスを著しく下げてしまう理由はなんですか?なぜ能力が高く優秀な人間のほうがプレッシャーに弱いのでしょうか? |
彼らが持つ高いワーキングメモリーが、プレッシャーに弱い要因を作っているのかもしれません。
なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人 プレッシャーを受けたときに、いちばん悪い結果がでたのが、能力の高い学生ー最もワーキングメモリーの多い人ーだったと知ると、意外に思われるかもしれない。
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本書で紹介されているワーキングメモリーとは、ひらたく言えば“頭脳の馬力”のことです。ワーキングメモリーの量が、読解力や問題解決といった、学業に秀でるために不可欠な活動でどのくらいの能力を発揮することができるか、を予測するものになります。
この実験で使われた合同算術には
「引き算と割り算を何段階か踏み、計算の途中段階を記憶して解く多少複雑な方法(これだと正しい数値を導き出すことができる)」と
「計算の途中段階を記憶せず、近道をして解く手軽な方法(ただし、いつも正しいわけではない)」
の二つの解き方があります。
実験結果では、ワーキングメモリー(頭脳馬力)の多い学生は“その方法で答えを計算できるため”前者の方法を選ぶ確率が高く、一方でワーキングメモリーの少ない学生はより簡便な後者の近道に頼りがちなことがわかりました。
当然ですが、前者の“正しい数値を導き出すことができる”多少複雑な計算方法を使うワーキングメモリー(頭脳馬力)の多い学生のほうが、より高い成績を叩き出すように思われます。ただし、ここにストレスやプレッシャーという条件が加わると、結果はそうではなくなります。
なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人 ストレスの少ない状況においては、より多くの知力を使うことでさらによい結果をだせる。だからこそ、ワーキングメモリーの多い人は練習問題で最も能力を発揮するのだ。
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普段は非常に優秀な成績を残す人間(ワーキングメモリーの多い人)が、プレッシャーや強い緊張を感じる本番になるとそのパフォーマンスを著しく下げてしまう理由はここにあると考えることができます。