私は人前で不安や緊張を和らげるためにアルコールの力に頼ることがあります

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私は対人関係が苦手で、人前で不安や緊張を和らげるためにアルコールの力に頼ることがあります。ただ、アルコールの力にばかり頼るのはあまりよくないという話も聞きました。本当のところどうなんでしょうか?教えて下さい。





アルコールの力にばかり頼ることは、時としてアルコール依存を招いてしまいますので、注意が必要です。



他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.163より


 現在では、<社会恐怖>と<アルコール依存>の間に密接な相関関係があることは明らかになっている。(中略)

 偽薬(プラシーボ)を使ったある研究では、アルコールには<社会恐怖>を治療する効果も、コミュニケーション力を向上させる効果もほとんどないことが証明されている。つまり、飲酒によって一時的に不安をやわらげることはできても、その不安を根本から改善することはできないのだ。


 社会恐怖になると別の精神疾患の合併症を招いてしまうことが少なくありませんが、その中でも特に多いのがアルコール依存です。アルコールの力にばかり頼ることは、時としてアルコール依存を招いてしまいますので、注意が必要です。

 実際、飲酒の量が多い人には社会不安や社会恐怖を抱える人が多くいます。これは、アルコールには強い抗不安作用(不安な気持ちをやわらげる作用)があるため、飲酒をすることで、不安や緊張、恥ずかしさを抑えることができると思われているためです。

 ご質問頂いた方の飲酒量は伺っていませんが、人前であがってしまうのを抑えるために一杯ひっかけるていどならまだましですが、苦手な状況に立ち向かうためそれが常習的になってしまうのは問題です。

 本書でも紹介されているとおり、偽薬(プラシーボ)を使ったある研究では、アルコールには、社会恐怖を治療する効果も、コミュニケーション力を向上させる効果もほとんどないことが証明されています。

 社会恐怖の人がついアルコールに頼ってしまいがちなのは、飲酒をすることで不安がやわらぐという本人の自己暗示による面が強いためだと思われますが、飲酒によって一時的に不安をやわらげることはできても、その不安を根本から改善することはできないということを忘れないで下さい。