私は何においても大きな実績を出したことがなく、自分に全く自信がありません。やはり自信の大きさは、過去の実績に比例するのでしょうか? |
自信は「よい結果が出てから、後で持つもの」ではなくて、「よい結果を出すために、あらかじめ持って事にのぞむもの」。「自信の大きさは、過去の実績に比例する」ではなく、「自分自身のセルフイメージと比例する」ものです。
本番に強くなる メンタルコーチが教えるプレッシャー克服法 バッシャムは、自信についてほとんどの人が誤った考え方をしているという。
|
ラニー・バッシャムは、ミュンヘン・オリンピックの銀メダリストで、モントリオール・オリンピックの金メダリストのライフル射撃競技選手です。彼は自身の経験をもとにメンタルマネジメントを体系化し、その分野での権威としても知られています。
私自身も含め、おそらくほとんどの人が「自信の大きさは、過去の実績に比例する」という考えに賛成するのではないでしょうか。
しかし、バッシャムはこの“自信についての考え方”がそもそも誤っているといいます。よく考えて見ればバッシャムの言うロジックが正しいということがわかります。
たとえば、うまくいかない(実績がつかない)限り自信は持てないもの。そう考えてしまえば、たいていの人はいつまでたっても自信が持てないということになります。
確かに過去に素晴らしい実績を持つ人で自信に満ちあふれている人はいますが、一方で、そうした実績がなくとも確固たる自信を持っている人はいます。
本書によれば、メンタルトレーニングの面から言えば、これは「うまくいったから自信がついたのではなく、何らかの手だてによって事にのぞむ前にあらかじめ自信をつけ、その結果として成功する可能性を少しでも高めるという方が正しい」といいます。
本番に強くなる メンタルコーチが教えるプレッシャー克服法 アメリカのスポーツ心理学者マートンは、自信を「今、自分がやらなければいけない事態は何とかうまくやれそうだと思える感じのこと」と説明している。
|
別のよくあるご質問のなかで、
プロスポーツのコーチングの基本はエフィカシー(自己評価) であり、「自分は世界最高だ、最強だ」というイメージをいかにもたせ、維持させるか。強みやポジティブな要因については徹底的に認識させ、意識を強化していく。逆に弱点やネガティブな要因はいっさい考えないように意識を誘導する。そうすることで絶対的な自己評価を確立させる。という話を紹介しましたが、
「プロスポーツのコーチングにおいて絶対的な自己評価を確率させる」というのは、まさにセルフイメージを拡大させて本番に先立って自信を持たせることでもあるのです。
「自信の大きさは、過去の実績に比例する」ではなく、「自分自身のセルフイメージと比例する」ものなのです。ですから、過去の実績がないからと自信に満ちあふれた自分を諦めるのではなく、セルフイメージを改善させることによって自信に満ちあふれた人間になることができるのです。