私はあがり症ですが、あがり症の人はリスクを回避する傾向にあるという話を聞きました。これは本当でしょうか? |
「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人がリスクを回避する傾向にあるのは事実です。
あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。
「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人がリスクを回避する傾向にあるのは事実です。
自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.59より 総合的に見れば、自己評価が高い人と低い人ではその行動の仕方に大きなちがいが出てくる。
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本書によれば、人生を長い尺度で見た場合、両者の違いは大きな差となって表れるといいます。
以前、自己評価が肯定的なものであれば、私たちは比較的安定した気分で過ごし、物事を積極的に行ったり、困難にも勇気を持って立ち向かうことができる、という話をしました。
自己評価の高い人は物事を積極的に行ったり、困難にも勇気を持って立ち向かうため色々なものに挑戦した結果、いくつかの挫折や失敗にぶつかりながらも、「自分の道」を見つけやすくなります。
一方で、自己評価の低い人は自己評価の高い人と反対に積極的なリスクテイクは行いません。困難に立ち向かっていくことも多くありません。とにかく失敗のリスクを最小限に抑えようとします。
自己評価を形成する三本柱の一つである“自分を肯定的に見ること”が十分ではない場合、人生に関わる選択で積極性に欠けてしまう、という話をしたことがありますが、自己評価の低い人の「とにかく失敗のリスクを最小限に抑えよう」というアプローチは、結局のところ「自分の道」を見つけることを難しくしてしまいます。
そしてそれは、就職や昇進などの場面においても消極的になり、あなたの人生における選択の幅を狭くしてしまうのです。