自己評価が低いことのメリットはありますか?

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あがり症の人間は自己評価が低い傾向にあるというのは理解しているつもりです。自己評価が低いことはデメリットばかりのように思えますが、自己評価が低いことのメリットは存在するのでしょうか?





自己評価が低いことでもたらされるメリットは大きくわけて3つ存在します。



 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 では、自己評価が低いことの利点は全くないのでしょうか?そんなことはありません。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.63より


 自己評価が低いことの利点はいくつかあるが、その最大のものは<人から受け入れられやすい>ということだろう。(中略)

 自己評価が低いことのもうひとつの利点は、まわりの人の意見や忠告を取り入れることができるということである。(中略)

 これまでも述べてきたように、自己評価が低い人は謙虚である。


 本書によれば、自己評価が低いことでもたらされるメリットは大きくわけて3つ存在するといいます。


1.人から受け入れられやすい

 自己評価が低いことでもたらされるメリットで最大のものは、“人から受け入れられやすい”というものです。

 自己評価の低い人は周囲の人あまり衝突しないように、譲ったり自分があきらめたりすることが多い傾向にあります。これはもともと人から好かれたいと思ってやる態度ですが、この態度をとる限り、当然ですが人からは受け入れられやすくなります。

 別のよくあるご質問のなかで、“内気”な人は控えめで、親切で、むやみにでしゃばったり自己主張したりしないで、周りから「いい人」と思われやすい、という話を紹介したことがあります。

 同様に自己評価が低い人も、その謙虚で控えめな態度が他から好感を持って迎えられます。批判に対してもしっかりと聞く耳を持つ素直なあなたは、周りの人からすれば非常に近づきやすく、安心して話をすることができる印象を与えるのです。


2.人の意見や忠告を取り入れることができる

 自己評価が低いことのもうひとつの利点は、まわりの人の意見や忠告を取り入れることができるということです。大人になると、なかなかこういう姿勢で物事に取り組むことができる人は少ないため、非常に好感を抱かれます。

 また、素直に他者の意見を取り入れるため、自己評価の低い人は常に自分自身の取り組みを改善し続け、素晴らしい成果を上げることができます。

 どんな年齢、役職、階級になったとしても、素直に人の意見を参考にする。そうすれば、当然ですが自分ひとりの狭い視野では気づくことのできなかった点が見えてきます。

 そして、自分の能力に対して自信がないことが、より努力する姿勢を生みやすいというのもメリットの一つです。自己評価が低いということは=「自分はまだまだだと思う」=成功するための推進力にもなり得る、のです。


3.謙虚であること

 以前、緊張しやすい人は、遠慮がち、控えめ、謙虚という姿勢がどことなく相手に良い印象を与えている人が多く、好感度が高い、という話を紹介したことがありますが、同様に自己評価が低い人も非常に謙虚な姿勢の人が多くいます。

 自分に自信がないだけでなく、自分の長所を語ることが苦手というのも自己評価の低い人が謙虚にうつる要因といえます。謙虚であることは社会において美徳とされる場合が多く、これは自己評価が低い傾向にある人の大きな利点といえます。