あがり症の人間は悪習慣を断ち切れないと聞きました。

あがり症克服方法  > よくあるご質問(FAQ)  > あがり症の人間は悪習慣を断ち切れないと聞きました。


あがり症の人間は好きでもないことや、気が進まないことでもなかなかその習慣を断ち切れないと聞きました。これは本当ですか?




「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人が悪い習慣を断ち切れないのは事実です。



 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人が悪い習慣を断ち切れないのは事実です。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.43より


 自己評価の低い人は自分の思い入れではなく、社会的な制約に従って、決めたこと(決まったこと)を続ける場合が多い。

 それは興味の持てない仕事だったりすることもあるし、あまり幸福とは言えない結婚生活だったりすることもある。好きではない伯母のところで毎月一回、最初の日曜日に食事をするなど、気の重い習慣だったりすることもある。

 こういった状況を自己評価の低い人は、一度決まってしまったからという理由で変える決心がつかないのだ。これは決してマゾヒズム(※)から来る問題ではない。そうではなく、意思決定の仕方に問題があるのだ。

 自己評価の低い人はそれまでの自分の行動に縛られやすい。したがって、ある状況が続くと、自己評価の高い人であれば「これは自分の望んでいたことではない。やめにしよう」ということでも続けてしまう。その意味では<すでにある状態を続ける>というのが自己評価の低い人の特徴なのである。

 ※マゾヒズム(Masochism)とは、肉体的精神的苦痛を与えられたり、羞恥心や屈辱感を誘導されることによって性的快感を味わう、あるいはそういった状況に自分が置かれることを想像することで性的興奮を得る性的嗜好の一つのタイプです。


 本書によれば、自己評価の高い人は行動の推進力が「その事柄にどこまで思い入れがあるかどうか」で決まるといいます。

気に入った異性をどうしても惹きつけたいと思う

何かの活動に情熱をかきたてられた

 自己評価の高い人はこういった“思い入れ”や“情熱”がその行動を後押しします。

 自己評価の高い人は、粘り強くチャレンジする。結果がなかなか出なくても辛抱強くやり遂げる。周りに批判されたり、反対されたとしても最後までやり遂げる、といった特徴があるというという話を紹介したことがありますが、その持ち前の粘り強さを発揮してなんとしてでもその目的を成し遂げようとします(反対に思い入れや情熱を持てないものには、推進力ははたらきません)。

 一方で、自己評価の低い人は自分の“思い入れ”や“情熱”ではなく、社会的な制約に従って、決めたこと(決まったこと)を続ける場合が多いといいます。

興味の持てない仕事

あまり幸福とは言えない結婚生活

あまり好きでない相手との定期的な食事

昔の自分が決して望んでいなかった生活

 こういったものを“一度決まってしまったものだから”という理由だけで変えようとしないのです。

 好きでもないことを変えようとしない。確かにこれはマゾヒズムから来る問題のようにも思えます。しかし、本書によればそれは

“意思決定の仕方”に問題があるといいます。

 自己評価の低い人はそれまでの自分の行動に縛られやすく、ある状況が続くと、自己評価の高い人であれば「これは自分の望んでいたことではない。やめにしよう」と思うことでも続けてしまう。すでにある状態を続けてしまう。

 そのため、悪い習慣をなかなか断ち切ることができなくなってしまうのです。