精神分析療法と認知行動療法の違いについて教えて下さい。

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精神分析療法と認知行動療法の違いについて教えて下さい。

精神分析療法と認知行動療法の違いについては以下の通りです。



自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.342より


 心理療法の方法は大きく言って二つに分けられる。精神分析療法に属するものと、認知行動療法に属するものである。

 精神分析療法のほうは、一般に広く知られていて、心理療法というとこちらのほうを思い浮かべる人が多いかもしれない。そのやり方はーセラピストに導かれて患者は自分の過去を話す。いっぽうセラピストのほうはあまり話をせず、実際的な助言も行わない。(中略)

 いっぽう、認知行動療法のほうは比較的歴史が浅い。こちらのほうは、セラピストが積極的に治療に関わり、意見を言ったり助言を行ったりする。

 また、新しい生き方を学ぶためにどんなふうな治療を行えばよいのか、患者と相談して決めたりもする。そういったタイプの療法である。


 あがり症をはじめとする社会不安を改善するための心理療法には「精神分析療法」と「認知行動療法」の大きく二つが存在し、「認知行動療法」の理念に関しては精神分析療法派と認知行動療法派、両者のあいだで長年議論がされてきた、という話を紹介したことがあります。

 精神分析療法と認知行動療法の違いを簡単にまとめると以下のようになります。


精神分析療法と認知行動療法

精神分析療法 認知行動療法
患者の過去、あるいは過去と現在のつながりに注目する 患者の現在の状態に注目する
子供の頃に起こった重大な出来事を理解し、心のなかで再体験する 現在の困難な状況を克服する能力を身につける
患者に対する関わり方は中立的。病気の状態や治療の進み具合についても、セラピストはあまり患者に情報を提供しない 患者に対する関わり方は積極的。病気の状態や治療の進み具合についても、セラピストは多くの情報を患者に提供する
目標は掲げられず、治療の期間も限定されない はっきりした目標が掲げられ、治療の期間も限定される
心の深層構造を修正することをおもな目的とする(それによって、症状が改善され、考え方や行動の仕方にも変化が表れる) 症状が改善し、考え方や行動の仕方に変化をもたらすことをおもな目的とする(それによって、心の深層構造も修正される)

自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)より