なぜあがり症の人間は優柔不断なのでしょうか?

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私はあがり症ですが、よく皆から優柔不断だと言われます。なぜあがり症の人間は優柔不断になってしまうのでしょうか?



正解はひとつしかなく、どんなことがあっても正しい選択をしなければならない。間違った選択をした場合には取り返しのつかない事態に陥ると思いこんでいるからかもしれません。





 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。

 上記のFAQでも紹介しましたが、自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人が優柔不断になってしまうのは、以下のような理由があると考えられます。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.40より


 いくつかの選択肢のなかから何かを選ばなければならない状況でも、自己評価の低い人は困難を感じる。

 ある相談者は言う。「何かを選ぶってことは、何かを捨てるってことなんです。私には捨てることはできません。もしまちがいだったらどうしようって、そう思ってしまうからです」(中略)

 相談者たちは<正しい選択>と<まちがった選択>があらかじめ決まっていると考えていることが多い。

 すなわち、正解はひとつしかないので、どんなことがあっても<正しい選択>をしなければならず、<まちがった選択>をした場合には取り返しのつかない事態に陥ると思いこんでいるのだ。

 だが、現実の出来事がそのように展開することはめったにない。ほとんどの選択には長所と短所があり、その選択が正しいかどうかは最初から決っているわけではないのだ。

 むしろ、ある選択が正しいものになるか、まちがったものになるかはその後のやり方による。私たちの未来は私たちの手にかかっているのだ。


 自己評価の低い人は決断力に乏しい、という話をしたことがありますが、

 本書でも紹介されているとおり、“いくつかの選択肢のなかから何かを選ばなければならない状況”においても、自己評価の低い人は困難を感じたり、優柔不断(ぐずぐずして、物事の決断がにぶいこと。また、そのさま)になるといいます。

 では、なぜ選択に困難を感じたり、優柔不断になってしまうのか?

 その答えは「正解はひとつしかなく、どんなことがあっても正しい選択をしなければならない。間違った選択をした場合には取り返しのつかない事態に陥ると思いこんでいるから」だと考えることができます。

 人生においては、学力テストやTOEICのように「Aという選択が絶対的に正しくて残りのBやCが間違っている」、という状況は“ほとんどありません”。

正解はひとつしかないわけではありません。

選択が取り返しのつかない事態に陥ることもありません。

 本書にもあるとおり、ほとんどの選択には長所と短所があり、その選択が正しいかどうかは最初から決っているわけではありません。むしろ、選択が正しいものになるか、まちがったものになるかはその後のやり方によるのです。

 ただ、あがり症や自己評価が低い人は、“選択自体を絶対視し過ぎる”あまり、それが優柔不断な性格を招いてしまうのです。