妻や夫以外の異性を褒めることがあがり症の改善を妨げると聞きました。

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妻や夫以外の異性を褒めることがあがり症の改善を妨げると聞きました。詳しく教えて下さい。



妻や夫以外の異性を褒めることがパートナーの自己評価を下げ、“低い自己評価”を原因とするあがり症の改善を妨げてしまうのは事実です。




 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、妻や夫以外の異性を褒めることがパートナーの自己評価を下げ、“低い自己評価”を原因とするあがり症の改善を妨げてしまうのは事実です。

 例えば、下記の表(上から八段目)にもある通り、「きのうの夜、デュポンさん夫婦の隣にいた女の人を覚えているかい?そうだよ、きみが一緒にダンスをした人だ。すごくきれいな人だったと思わないか?それに話してみると頭もいいんだぜ。ほかの女の人たちはやきもちを焼いて、そんなことは言わないだろうけどね」や「あの人は素敵だわ。あんな人と結婚できる女性はさぞかししあわせでしょうね」

 などとあがり症のパートナーに対して言ってしまえば、パートナーの自己評価を大きく下げかねません。(本書では海外の例が紹介されていますが、日本の場合に置き換えればどんな発言がパートナーの自己評価を大きく下げるかわかるはずです)。そんな発言は、あがり症を改善していくうえで大きなマイナスとなるのです。

 テレビを見ながら芸能人やタレントを褒め過ぎるのもあまり好ましくありませんが、特に身近な(近所の人や友人である)異性を褒めることは、パートナーの自己評価を下げ、パートナーのあがり症改善を妨げてしまいます。特に注意が必要です。


パートナーの自己評価を下げる方法

方法 実例
ほかの誰か(とりわけ、パートナーが嫌っている人間)と比較する 「きみがぼくの母親を嫌いなのは知っているよ。でも、ぼくの母親は少なくともお客を迎える準備だけはきちんとしていたぜ」
パートナーの家族のことで、相手が気にするようなことを言う 「あなたって、本当にケチね。お義父さんにそっくりだわ」
身体的特徴について、相手が気にするようなことを言う 「去年の夏から太ったんじゃない?」、「あなたの背中がこんなにみすぼらしいとは気づかなかったわ」
自分の過去の恋人の話をして、パートナーと比較するようなことを言う(別れたのが残念だったというそぶりを見せる) 「あら、この写真、思い出すわ。この人はイタリアの大臣の息子でね、私に夢中だったの。プロポーズまでされたのよ。別れてからもずっと手紙をくれていたけど……。いまはどうしているかしら?今度、仕事でローマに行くから……。」
パートナーが欠席したパーティーのことを楽しく思い出して話す 「ああ、きのうのパーティーは最高だったよ。気持ちのいい人ばかり集まってね。あんなに楽しい思いをしたのはひさしぶりだ。きみがいなくて残念だったけどね。でも、いたとしても、きみにはつまらなかったかもしれないな」
相手に罪悪感を持たせるような不満の洩らし方をする 「あなたのためにこんなにやっているのに、それを思うと……」
ほかの異性のことを褒める 「きのうの夜、デュポンさん夫婦の隣にいた女の人を覚えているかい?そうだよ、きみが一緒にダンスをした人だ。すごくきれいな人だったと思わないか?それに話してみると頭もいいんだぜ。ほかの女の人たちはやきもちを焼いて、そんなことは言わないだろうけどね」、「あの人は素敵だわ。あんな人と結婚できる女性はさぞかししあわせでしょうね」

自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)より