高い自己評価を維持し続けるにはどうしたらいいのでしょうか?

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高い自己評価を維持し続けるにはどうしたらいいのでしょうか?

自己評価の栄養源である「愛されているという気持ち」と「能力があるという気持ち」を定期的に補給するのがポイントです。



 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。

 以前、別のよくあるご質問のなかで「自分は世界最高だ、最強だ」というイメージをいかにもたせ、維持させるか。強みやポジティブな要因についてと徹底的に認識させ、意識を強化する。逆に弱点やネガティブな要因はいっさい考えないように意識を誘導します。そうやって絶対的な自己評価を確立させる、というプロスポーツのコーチングの話を紹介しました。

 上記のFAQでは

1.まず「なりたい自分」を決めさせる。

2.そのゴールに向かってセルフトークさせる。

3.セルフトークをくり返す。

 という高いエフィカシーを維持する方法を紹介しましたが、ここで紹介するのは、自己評価を維持するための“自己評価の栄養源”についてです。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.30より


 自己評価の栄養源=愛されているという気持ち+能力があるという気持ちである。

 日々の活動のなかで、私たちはたいていこの二つの要素を満足させようと努めている。私たちは愛される(感じがよいと思われる、人気がある、望まれている)と同時に、能力がある(成績がよい、才能に恵まれている、役に立っている)と感じる必要があるのだ。

 たとえば、政治家は権力を握るのと同時に、国民から愛されることをも望む。私たちも仕事においてある分野のスペシャリストになりたいと思ういっぽう、同僚から好かれたいとも思う。

 夫婦関係も愛されることだけを問題にしているわけではない。配偶者から愛されると同時に、その能力を評価してもらうことが大切なのだ。この二つのうち、どちらか一方でも欠けると、私たちは満足感を得られない。

 いくら愛されても能力を評価されることがなければ子供扱いされているように感じるし、能力を評価されても愛されなければ欲求不満に陥るのだ。

 <自己評価>は一度与えられたら、そこで決まってしまうというものではない。それだけに私たちの<自我>にとっては、この二つの要素は重要である。

 <自己評価>というものは、それが高かろうが低かろうが、安定しようがいまいが、定期的に栄養を補給される必要があるのだ。


 本書によれば、自己評価を維持するために必要な自己評価の栄養源は

=愛されているという気持ち+能力があるという気持ち

 だといいます。


愛されているという気持ち

 愛される(感じがよいと思われる、人気がある、望まれている)。これは、マズローの欲求5段階説でいう「所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)」に近いと考えられます。

 マズローは欲求段階説のなかで「人は情緒的な人間関係・他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚」を欲するといいます。そして、この欲求が満たされないことは社会的不安、鬱状態になる原因の最たるものであると言われています。


能力があるという気持ち

 能力がよい(成績がよい、才能に恵まれている、役に立っている)。これは、マズローの欲求5段階説でいう「承認(尊重)の欲求(Esteem)」に近いと考えられます。

 高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされる。一方で、この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じるといっています。


 この「愛されているという気持ち」と「能力があるという気持ち」という二つの栄養源がバランスよく補給されることで絶対的な(高い)自己評価を維持することができます。

 本書でも紹介されているとおり、自己評価は一度与えられたら、そこで決まってしまう(フィックスされる)というものではありません。ですから、定期的に補給する必要がありますし、私たちの自我にとって、「愛されているという気持ち」と「能力があるという気持ち」という二つの要素は非常に重要だといえます。