疑似体験療法について教えて下さい。

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疑似体験療法について教えて下さい。

疑似体験療法は、人がひどく恐怖を感じているものに慣れるようにすることで、時とともに特定のきかっけに抱く悪い連想を減らすことを学ばせ、よりよく対処できるようにするものです。





なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.263より


 ここで疑似体験療法の共通テクニックについて考えてみよう。クモや高所などにたいする恐怖や不安に対処できるようにするために利用されるものだ。

 疑似体験療法は、人がひどく恐怖を感じているものに慣れるようにすることで、時とともに特定のきかっけにいだく悪い連想を減らすことを学ばせ、よりよく対処できるようにするものだ。


 本書では高所恐怖症の例が紹介されています。たとえば高い場所が怖い高所恐怖症の人の場合、

高所の疑似体験療法を受ける

コンピューター・シミュレーションの架空エレベーターに乗る

 などの疑似体験療法を“体験”をした人は、そのような治療をしない人にくらべると高所恐怖症の不安にうまく対処できるようになるといいます。高所恐怖症であってもこうした人ならそのうちエレベーターに乗るようになる可能性が高くなり、エレベーターに何度も乗ることで高所はあまり怖くなくなるといいます。

 別のよくあるご質問のなかで、軽度のストレスのもとで練習するだけでも、いざ重度のストレスに見舞われたときにチョークするのを防くことができる。軽度のストレスを模擬体験していれば、プレッシャーが増しても動揺しなくなるという話を紹介したことがありますが

 これは恐怖症であっても、ストレスのかかるスポーツの場面であってもどちらにも同様のことが言えます。

 疑似体験療法という予めストレスのかかる状況で訓練することで恐怖症もスポーツもプレッシャーにも徐々に慣れてくる。そうすることで、以前は不安になった状況ももはや恐ろしいと感じなくなるのです


なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.264より


 プレッシャーのもとで練習すればするほど、ストレスがあるときに望ましくない反応をする可能性は減るだろう。これはタイガー・ウッズのようなプロゴルファーでは明らかに言えるようだ。

 試合の重大な局面で気を散らされるのを防ぐ方法を身につけさせるために、父親のアール・ウッズはゴルフバッグを落としたり、息子の視線が向いている先にボールを転がしたり、ポケットの小銭を鳴らしたりした。


 プロゴルファーのタイガー・ウッズも、こうやってストレスのもとでプレーをすることに慣れていたおかげで、ウッズは試合に専念して人より抜きん出ることを学んだといいます。これも疑似体験療法の一つと言えます。