あがり症の人の緊張対策としてはやはり万全な準備が効果的ですか?

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私は自分でもあがり症だということをよくわかっているつもりです。そこでお聞きしたいのですが、緊張対策としてはやはり万全な準備が効果的なのでしょうか?準備にし過ぎるということはないのでしょうか?





緊張対策としては、やはり万全な準備が効果的です。ただし、やりすぎは逆効果になることもあるので注意が必要です。




「緊張」から自分を救う本 アガリ症を逆手にとる方法
(松本桂樹著、大和書房)P.145より


 イメージトレーニングで予行練習

 誰にでもできる行動面での「緊張対策」の一つは、「準備をきちんとする」ことです。よく言われることですが、緊張しやすい場面に向かう前には、できる準備はなるべくやっておいたほうが、やはり多少なりとも緊張がやわらぐ可能性が高くなります。(中略)

 緊張は不安心理と関係があるので、準備をよくやって心配のタネを減らしておけば、それだけ緊張が起こるきっかけが減るはずです。

 「その場」「現場」の流れや雰囲気をイメージしながら、予想される展開を、なるべく具体的に考えてシミュレーションをしてみましょう。場合によっては、誰かと話し合ってみてるのも効果的です。

 必要になるかもしれないものや、事前にやっておけることを、書き出してみてください。(中略)必要な物品はすぐに使える状態に整えて、消耗品は少し多めに用意しておきます。


 「きちんと準備すること」。緊張対策では、“準備”がやはり効果的です。こんなことを言うと当たり前かと思われるかもしれません。ただ、緊張対策に準備が効果的なのは事実ですし、こういった基本を疎かにしていてはいつまでたっても効果的な緊張対策はできません。

準備はなるべくやっておいたほうが多少なりとも緊張がやわらぐ

 本書でも述べられているとおり、緊張は不安心理と密接なつながりがありますので、準備をすればするほど心配のタネは減らすことができます。

 例えば、あなたの進路や大事な成績を決定する試験に臨む場合を想像して下さい。中間試験や期末試験、入学試験でも、あなたには準備不足で試験を迎えてしまった経験があるはずです。

5教科のうち2教科は全く手をつけることができなかった。

試験範囲の50ページのうち、後半はほぼ手つかずの状態。

結局、勉強を開始したのは試験3日前になってから。

 あなたにはこんな経験があるのではないでしょうか?このように準備不足の状態で大事な本番を迎えてしまえば、当然ですが不安心理が過度に働いて緊張しっぱなしで試験を受けることになります。

初めて見た問題に戸惑うあまり、試験時間を潰してしまう

緊張のあまり、名前と試験番号を書き忘れてしまう

 準備さえしていれば、造作もないこんなケアレスミスをしてしまいがちです。一方で、準備万全の状態で望めば、少なくともこれらの“いらない心配のタネ”は取り除くことができます。


軽度のストレスのもとで練習(準備)する

 また、準備段階では軽度のストレスのもとで練習(準備)するのも効果的です。軽度のストレスのもとで練習(準備)するだけで、いざ重度のストレスに見舞われたときにパフォーマンスを落とすことがなくなります。軽度のストレスを模擬体験することで、プレッシャーが増しても動揺しなくなるのです。


準備するものだけでなく抱えている不安も書き出してみる

 本書では「必要になるかもしれないものや、事前にやっておけることを、書き出してみてください」と紹介されていますが、事前にやっておくことだけでなく、現状抱えている不安を書き出してみるというのも脳科学的に不安を取り除き、緊張を防ぐ非常に有効なアプローチです。

 このように緊張対策としては、やはり万全な準備が効果的です。

 ただし、準備は大切なのですが、「やりすぎ」が逆効果になることもあるので注意が必要です。あまり準備に夢中になり過ぎてしまうあまり、かえって「まだ何か準備し足りないことがあるのではないだろうか?」と不安が高まってしまうこともあります。準備はほどほどにしておきましょう。