あがり症の人はあがり症の友達ができやすいというのは本当ですか?

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あがり症の人はあがり症の友達ができやすいという話を聞きました。これは本当ですか?



下記の3つの要因から、あがり症の人はあがり症の友達を作る傾向が強いと考えることができます。




自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.169より


 一般に私たちは、<お互いに似ている>と思うほど親しみを感じ、友達になったり、あるいは友達でいたりすることが多くなる。

 そして、この現象は私たちが自分に自信がない時ほど、よりはっきりした傾向として表れる。したがって、こういった問いには自分と同じような考えを持った人と友達になりやすくなる。(中略)

 多くの人々は容姿や学歴、社会的地位など、自己評価の基準となるような要素について、あまり自分とはかけ離れていない人物を友人に選ぶ傾向にある。

 社会的に属する階層がちがうなど、この隔たりが大きすぎる場合は、友情が成立するにはほかに多くの共通点があることが必要とされる。


 本書では(あがり症をはじめとする社会不安の人々に限らず)人は下記の3つの要素をもとに友人を選ぶ傾向にあるといいます。

1.互いに似ていると思うほど友達になりやすい

2.自分に自信がない時ほどそうなりやすい

3.自己評価の基準となる要素が自分とかけ離れていない人を選ぶ


1.互いに似ていると思うほど友達になりやすい

 一般に人は、お互いに似ていると思うほど親しみを感じ、友達になったり、あるいは友達でいたりすることが多くなるとあります。こう考えると、“自分と同じ匂いがする人”、“自分と似ている人”を友達として選んだ結果、あがり症の人はあがり症の友達ができやすいといえます。


2.自分に自信がない時ほどそうなりやすい

 そして、上記の現象は自分に自信がない時ほど、よりはっきりした傾向として表れます。一般にあがり症をはじめとする社会不安を感じる人は、自分自身に対するネガティブな思い込みや低い自己評価をしてしまいがちです。自分に自信がない人がほとんどなのです。

 「あがり症の人≒自信がない人」と考えた場合、結果としてより互いに似ている友人を選ぶ傾向が強くなります。このため、あがり症の人はさらにあがり症の友達ができやすいといえます。


 

3.自己評価の基準となる要素が自分とかけ離れていない人を選ぶ

 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。前述のとおり、自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 自己評価の基準となる要素としては、容姿や学歴、社会的地位が挙げられます。あがり症であることで直接的に容姿や学歴、社会的地位が決まるということはありません。

 しかし、あがり症の人が就職や昇進などの場面においても消極的になり、人生における選択の幅を狭くしてしまうこと、あるいはあがり症をはじめとする社会不安の原因がその人の容姿に関係している場合もあるため、全く関係ないともいえません。間接的にあがり症の友達ができやすい要因を作っているとも考えることができます。

 これら3つの要因を考慮にいれると、あがり症の人はあがり症の友達を作る傾向が強いと考えることができます。また、本書によればこの現象は特に若者においてより顕著だといいます。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.169より


 この現象は特に若者において顕著である。

 思春期から青年期にかけての若者たちは、互いに似たような特徴を持つ仲間たちとグループを形成することが多い。そうすれば、たとえば学校の成績が悪くても、みんなが悪いので、不愉快な比較をされることがないからである。