私はあがり症ですが、あがり症の人は断り下手な人が多いと聞きました。あがり症の人は断り下手だというのは本当ですか? |
「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人は断り下手だというのは事実です。
あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。
「あがり症の人≒自己評価の低い人」と考えた場合、あがり症の人は断り下手だというのは事実です。
自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.226より 自己評価の低い人たちは、<ノーと言えない>、<相手が自分とちがう意見だったら、自分の意見を撤回する>などのように、なかなか自己主張することができない。40歳の商店主、アランの話を聞いてみよう。(中略)
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ここでいう「自己主張をする」とは、ただやみくもに自分をアピールすることではなく、不安をできるだけ抑えながら、他人の考え、希望、感情に配慮しつつ、自分の考え、希望、感情を正しくはっきりと伝えることです。
一般的に自己評価が低いあがり症の方は、
相手の提案に対してノーと言えない
相手が自分と違う意見であれば、自分の意見を撤回する
という傾向があります。これは事実です。他人の考えを配慮しつつ、自分の考えや希望を正しくはっきりと伝えることができないのです。
こうなってしまう原因としては、子供の頃に両親の期待に応えることができなかったため、自己評価を形成する三本柱の一つが欠けてしまう。これが低い自己評価へとつながり、結果として「他人の意見に左右されやすくなってしまう」状態を作り出してしまうと考えられています。
自己主張できないことや断り下手なことは時としてメリットにもなり得ますが、一方でしつこいセールスや怪しい売り込みに対して抵抗力が弱くなってしまう、といったデメリットもあります。
本書によれば、自己主張をしたり、相手の意見を断ることができない人には役割演技(ロールプレイング)を行なうなどの訓練が役に立つといいます。ロールプレイングを通じて相手と対立することなく落ち着いた気持ちで、自分の感情や意見を伝えることができるようになり、断る下手を解消することができます。
※なお、引っ込み思案で自己主張できないことに、知性も教養もまったく関係ありません。これは、これは単に心の問題である、ということも覚えておいて下さい。