あがり症を放っておくとうつ病になると聞きました。本当ですか?

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あがり症を放っておくとうつ病になると聞きました。本当ですか?あがり症とうつ病の関連性について教えて下さい。



社会恐怖をはじめとして、あがり症、内気、回避性人格障害を含む社会不安は、50〜70%の割合でうつを引き起こす、という研究結果が出ています。社会恐怖とうつは非常に密接な相互関係にあります。





 うつとは、気分が落ち込むことや絶望感、低い自己評価などにさいなまれる心理的な障害のことです。この“うつ”ですが、社会恐怖(社会不安障害)と非常に密接な相互関係にあります。


他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.164より


 <社会恐怖>をはじめとして、あがり症、内気、回避性人格障害を含む<社会不安>は、50〜70%の割合で<うつ>を引き起こす、という研究結果が出ている。

 また、243人の<うつ>の人を対象にしたある調査によると、彼らの実に三分の二が<社会恐怖>や<回避性人格障害>の悩みも抱えていた。しかもそういう人たちほど、低年齢で<うつ>を発症しており、その症状も平均より重かったのである。

 そう、人づき合いが苦手で、他人の評価や視線を怖れ、苦手な状況を避けてしまう人たちほど<うつ>になりやすいのだ。実際、さまざまな<不安障害>のうちで、<うつ>を引き起こす割合がもっとも高いのが<社会不安>だという研究結果も出ている。

 逆に、<うつ>を発症してしまったために、それまで問題なくこなしてきた人間関係が一気に苦手になったという人もいる。要するに、<社会恐怖>と<うつ>は非常に密接な相互関係にあるのである。


 2012年にWHOが発表したうつ病の患者数は全世界で、3億5千万人。日本では、厚生労働省が実施している患者調査によれば、2008年には104.1万人と、著しく増加しています。

 そして、このうつ病予備軍とされるのが社会恐怖(社会不安障害)や社会不安(あがり症内気回避性人格障害)の悩みを抱える人々です。

 本書が紹介する研究結果によると、社会恐怖やあがり症、内気、回避性人格障害を含む社会不安は、半分から7割という高い確率でうつを引き起こす、という研究結果が出ています。これは、非常に高い確率であがり症などになっている人がうつになることを意味しています。

 本書では、うつ病の女性が抗うつ剤によって、不眠や食欲不振といった症状は改善されているケースが紹介されています。しかし、この女性も社会恐怖の人にありがちな症状を抱え、「誰にも悩みを打ち明けずに一人で悩む」ということをしていました。これは、いかに多くの長期性のうつの陰に社会恐怖が潜んでいるか、ということの現れともいえます。