ホームゲームは妙に緊張して致命的なミスや失敗をよく犯してしまいます。

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うちのチームはホームゲームよりアウェイゲームのほうが得意です。ホームゲームは妙に緊張してしまい、致命的なミスや失敗をよく犯してしまいます。一方で、遠征で敵地に行くほうがのびのびプレイできる気がします。





一般的には地元チームは有利だと言われていますが、地元の応援団の前で試合をするプレッシャーで、この利点が失われるという研究結果も出ています。




 どんな世界でも、地元やホームゲームのほうがそこでプレーする選手やパフォーマーにとって有利に働くと考えられています。

地元の熱い声援に後押しされる

やり慣れた場所で自分のパフォーマンスを披露できる

移動時間が少ないのでコンディションを整えやすい

 などなど。スポーツに限らず、どんな世界でもホームアドバンテージはパフォーマンスを高める大きな効果があると考えられています。一方で、ある心理学者はその研究のなかで「地元の応援団の前で試合をするプレッシャーで、この利点が失われる」という研究結果を報告しています。


なぜ本番でしくじるのかープレッシャーに強い人弱い人
(シアン・バイロック著、河出書房新社)P.235より


 1980年代なかばに、心理学者のロイ・バウマイスターは共同研究者とともにメジャーリーグの決勝戦の統計を数年分さかのぼって調べ、決定的な試合の勝敗が最もプレッシャーに満ちた状況でいかに決まったかを理解しようと試みた。(中略)

 データをさらによく見ると、こうした決定的な場面では地元チームが力を発揮できていないことがわかった。地元チームに優勝するチャンスがあった場合、野球では凡ミスが余計にでていたのだ。(中略)

 確かに、バウマイスターのデータはどうも直感に反するものだ。地元チームは有利だと一般に言われていることを考えれば、なおさらだ。

 しかし、地元の応援団の前で試合をするプレッシャーで、選手たちが自分の動きをコントロールしようとして、かえってそれを乱してしまうような重大な試合では、この利点も失われるとバウマイスターは考える。


 別のよくあるご質問のなかで、家族や友人が自分のパフォーマンスを観ていることで、いつもより余計に意識してしまう。その意識が悪い方向に働いて力みやいらない緊張を生んでしまう。結果としてパフォーマンスを著しく落としてしまう。こんなことはよくある、という話を紹介したことがありますが、地元の応援団の前で試合をする場合も同様の理由からそのパフォーマンスが下がってしまうことが考えられます。

 なぜ余計に意識してしまうことがパフォーマンスを下げてしまうのかと言えば、ふだん無意識のうちにやっている行動について、考えすぎた場合に起こる「分析による麻痺(チョーク)」と呼ばれるものが起こるためです。

 初心者であれば、細かい動き一つひとつに注意を払うことはよりよい結果を導きますが、熟練者の場合はそうなりません。地元の応援団の前で試合をするプレッシャーで、選手たちが自分の動きをコントロールしようとして、かえってそれを乱してしまう。過度の注意を払ってしまうことが淀みないパフォーマンスに混乱をきたしてしまうのです。

 ホームゲームは妙に緊張してしまい、致命的なミスや失敗をよく犯してしまう。一方で、遠征で敵地に行くほうがのびのびプレイできる気がする。ご質問頂いた状態が起きてしまう理由はこの辺りにあるのかもしれません。