社会恐怖(社会不安障害)と社会不安の違いについて教えて下さい。

あがり症克服方法  > よくあるご質問(FAQ)  > 社会恐怖(社会不安障害)と社会不安の違いについて教えて下さい。


社会恐怖(社会不安障害)と社会不安の違いについて教えて下さい。


社会恐怖と社会不安、言葉が似ていて混同しがちですが、そこにはしっかりと違いがあります。



他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.151より


 <社会恐怖(社会不安障害)>は、(中略)他の<社会不安>(あがり症、内気、回避性人格障害)に比べて、もっとも症状が重く、日常生活にもっとも大きな支障をきたす病気である。


 社会恐怖と社会不安、言葉が似ていて混同しがちですが、そこにはしっかりと違いがあります。

 本書にもあるとおり、症状の重さで言えば、社会恐怖>社会不安、そして、日常生活に支障をきたす度合いでいっても、社会不安>社会不安となります。「社会不安の症状が悪化(深刻化)した延長線上に社会恐怖がある」と考えて頂いて構いません。社会恐怖と比較して比較的軽度と言われ、(その延長線上に社会恐怖があり)社会恐怖の前段階である社会不安。この社会不安という大きなくくりの中にはあがり症、内気、回避性人格障害といった症状があるというイメージです。

 また、社会恐怖と他の社会不安を区別するもう一つの基準に徹底した回避行動をとる、ということがあります。


他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)P.158より


 <社会恐怖>と他の<社会不安>を区別するもうひとつの基準、それは徹底した回避行動をとることにある。そう、<社会恐怖>の人たちは、(中略)苦手な対象に激しい怖れを感じている。だからこそ、彼らは耐えきれずに<回避行動>をとってしまうのである。

 たとえば、<鳩恐怖>の人は、自分が座っている講演のベンチに向かって鳩の大群が押し寄せてきたら、一目散に逃げ出してしまうだろう。それと同様に<社会恐怖>の人も、他人の視線が自分に注がれそうだと思った途端、その場から逃げだそうとするのである。


 あがり症(社会不安)なのか、それとも社会恐怖なのかを見極める判断基準を別のよくあるご質問にまとめさせて頂きましたので、こちらもぜひ参考にしてみて下さい


 ※なお、内気とは、他人とうまくコミュニケーションをとりたいと強く願うにもかかわらず、つい気おくれしてしまうこと。回避性人格障害は、「苦手な状況からできることなら逃れたい」という行動が習慣化される。その性格のせいで日常生活に大きな支障をきたす精神疾患のことです。