仕事を通じてあがり症が改善していくことはありますか?

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仕事を通じてあがり症が改善していくことはありますか?

“より良い自己評価を形成していくことがあがり症を改善する”と考えた場合、仕事を通じてあがり症が改善していくことは事実です。




 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 “より良い自己評価を形成していくことがあがり症を改善する”と考えた場合、仕事を通じてあがり症が改善していくことは事実です。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.170より


 イギリスの作家ジョゼフ・コンラッドはこう書いている。

 《仕事でよかったと思うことは、自分を発見する機会を得たことだ。自分とは何かがー決して表面的にではなくー自分の目に見えるようになったのだ》。

 仕事を通じて<自分を発見する>ということは、社会的な地位(失業者はこれを奪われるので自己評価が低くなる)や集団への帰属意識(一緒に働く仲間として評価され、認められる)、目的の達成(自分には能力がある)、経済的な利益(物を買うことによって自己評価が高くなる)などを通じて、<自分を確認する>ということでもある。

 そうして、仕事によって素晴らしい自分を発見し、あるいは確認することができれば自己評価は高まるのである。


 以前、大リーガー松井秀喜選手の緊張しない秘訣は「自分の100%」を知ることである、という話を紹介したことがありますが、自分について知ることは自信を持つことにつながります。またそれは自己評価を高めることにもつながります。仕事にはこの「自分を知ること」や「自分を発見する」といった可能性(醍醐味)があります。


社会的な地位

 社会的地位は容姿や学歴などとともに、自己評価の基準となる大切な要素であり、仕事をするということは(もちろん職種や役職にもよりますが)、社会的な地位を手に入れる一つの方法です。

 “より良い自己評価を形成していくことがあがり症を改善する”と考えた場合、仕事を通じて社会的な地位を手に入れることが自己評価を高め、あがり症が改善していくことは事実です。一方で、あがり症だからと塞ぎこんでばかりで社会に出ようとしない、働こうとしなければ社会的な地位によって自己評価を高めることはできません。


集団への帰属意識

 一緒に働く仲間として評価され、認められる。これほどまでに人の自己評価を高めることがあるでしょうか。新しい仕事をやり始めて気付くことは、自分が大した評価をしていない自己の能力に対して他人が大いなる賞賛をしてくれることです。

 自分にとっては当たり前のことも、誰かにとってはとても役立つことであると気付く。誰かに評価され、認められることはより良い自己評価を形成し、あがり症の改善につながります。


目的の達成

 高い自己評価を維持するには、自己評価の栄養源である「愛されているという気持ち」と「能力があるという気持ち」を定期的に補給するのがポイントです。

 目的を達成することで、自分には能力がある(成績がよい、才能に恵まれている、役に立っている)と感じることができる。これがより良い自己評価を形成し、あがり症の改善につながります。


経済的な利益

 夢のマイホームを手に入れたり、着たい服や乗りたい車を購入する。それらが実現することで高揚感が生まれる。これは“物を買うことによって自己評価が高くなる”の一例です。経済的な利益を得ることは、より良い自己評価を形成するポイントの一つなのです。