占いが好きな人にはあがり症が多いと聞きました。本当ですか?

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占いを好む友人や同僚がいます。占いに興味を示す人にはあがり症が多いと聞きました。これは本当ですか?



占いが好きなこと、イコールあがり症というのは乱暴な論理です。ただ、占いに興味を示す人に自己評価の低い人(あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係がある)が多いのは事実です。





 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。

 上記のFAQでも紹介しましたが、自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。そして、占いに興味を示すのは、自己評価の低い人が多い、というのもまた事実です。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.37より


 自己評価の低い人にとって、自分に疑いを持たずにいるというのは難しい。占星術や手相見などがいつの時代にもはやる所以(ゆえん)である。

 自分に自信が持てなければ、誰かに自分のことを教えてもらいたい……。そうなのだ!占いに興味を示すのは、自己評価の低い人が多いのである!

 占い師に尋ねれば、自分の現在の状態や未来について、確信を持って答えてくれる。自分で自分のことを考える必要はない……。

 内気な人間がいなければ結婚相談所が成り立たないようにー妄想症(パラノイア)の人々がいなければ興信所の調査員はいらなくなるように、

 ある日突然、奇跡的な薬でも発明されて、自己評価の低い人がいなくなれば、占星術師たちをはじめとする占い師たちはたちどころに失業してしまうのである。


 占いが好きなこと、イコールあがり症というのは乱暴な論理です。ただ、本書にあるとおり占いに興味を示す人に自己評価の低い人が多いのは事実です。

 以前、自分について知ることができれば、自信もわき、自己評価も高まってくるもの、という話を紹介しました。これは裏を返せば、自己評価の低い人というのは自分についてよく知らないとも言えます。

 簡単な例で考えてみましょう。

 就職活動中の学生は社会に出たことがなく、自分を深く掘り下げてみたこともない、いわば真っ白なキャンバスみたいな存在です。仕事においては圧倒的に経験が不足していますから、当然ですが「自分に何ができて、何ができないのか?」ということはわかりません。ですから、往々にして新人や就活生は自分に自信がない(自己評価が低い)人がほとんどです。

 一方で、社会人を数年経験すると、仕事を通じて自分の強み弱みがだんだんとわかってきます。学生時代に得意な科目とそうでない科目があったように、自分が得意な仕事や分野、自分の力を発揮できるフィールドとそうでないフィールドが把握できるようになります。営業が得意なのか、それともマーケティングが得意なのか、といった具合です。

 このため、仕事を数年続けると仕事を通じて自分自身をよく知ることができ、自分を深く掘り下げてみることができます。3〜5年も経つと新人時代、学生時代には考えられなかったような自信や高い自己評価を手に入れることができるのはこのためです。

 ただ、全員が全員、仕事や社会人経験を通じて自己を知ることができるわけではありません。とくに、自己評価の低い人(あがり症をはじめとする社会不安の人に多い)は、なかなか自分自身を知ることができず、自信が持てません。

 そのため、「誰かに自分のことを教えてもらいたい」と思いがちで、それが占いやセラピー、自己啓発に興味を示す人が多くなる理由となっています。

 占いが好きなこと、イコールあがり症というのは乱暴な論理です。ただ、占いに興味を示す人に自己評価の低い人(あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係がある)が多いのは事実です。