部下のあがり症を改善する方法を教えて下さい。

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部下があがり症で悩んでいます。上司の立場から部下のあがり症を改善する方法はないものでしょうか?詳しく教えて下さい。



“より良い自己評価を形成していくことがあがり症を改善する”と考えた場合、以下の方法で部下の自己評価を上げることで、部下のあがり症を改善していくことが可能です。




 あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。自己評価の低さは、あがり症をはじめとする社会不安と密接な関係にあることが研究によって証明されています。

 “より良い自己評価を形成していくことがあがり症を改善する”と考えた場合、以下の方法で部下の自己評価を上げることで、あがり症を改善していくことが可能です。


自己評価の心理学 なぜあの人は自分に自信があるのか(クリストフ・アンドレ、フランソワ・ルロール著、紀伊國屋書店)P.176より


 部下の自己評価を上げる方法を箇条書きでまとめておこう。

 ・仕事以外のつきあいを大切にしたり、何か問題があった時には力を合わせて解決するなど、連帯感を持たせてチーム意識を育てる(チームの一員であるという自覚を持つことで自己評価は高まる)

 ・教育を行ったり、専門家を促進したりして、ひとりひとりの能力を高める。

 ・いいところを褒めたり、悪いところを指摘したり、仕事についてどう評価しているか、おりにふれて情報を与える。

 ・失敗に対して寛容になる(「誰にでも失敗はある。問題はそこから何を学ぶかだ。そうだろう?」)。

 ・チャレンジ精神を褒める(「結果は問題じゃない。それよりもまずやってみることだ」)。

 ・悪い点があっても、部下の人格を批判しない。行動を注意する。

 ・部下たちに守らせる規則にはまず自分自身が従う。


連帯感を持たせてチーム意識を育てる

 以前、仕事を通じて集団への帰属意識が高まることで自己評価が改善される、という話をしたことがあります。一緒に働く仲間として評価され、認められる。これほどまでに人の自己評価を高めることがあるでしょうか。


ひとりひとりの能力を高める。

 高い自己評価を維持するには、自己評価の栄養源である「愛されているという気持ち」と「能力があるという気持ち」を定期的に補給するのがポイントです。能力が高まることで、後者の「能力があるという気持ち」は定期的に補給され、自己評価をより良いものへと改善していくことができます。


失敗に対して寛容になる。

 「部下が過ちを犯したら、必ず激しく叱責する」ことが部下の自己評価を大きく下げ、あがり症改善を妨げる、という話をしたことがありますが、失敗に寛容になることが部下の自己評価をより良くするポイントです。

 失敗は決して取り返しのつかないものではなく、行動した結果、失敗することもあり得ると部下にあらかじめ伝えることが部下の自信を生みます。また、ほとんどの選択には長所と短所があり、その選択が正しいものになるか、まちがったものになるかはその後のやり方による、ということを伝えることが部下の失敗や過ちに対する耐性を強めてくれます。


チャレンジ精神を褒める

 成功したことよりも挑戦したことのほうに高い価値が置かれ、失敗からうまく教訓を引きだしてやることができるかどうかがポイントです。


悪い点があっても、部下の人格を批判せず行動を注意する。

 部下の行動ではなく人格を批判することは部下の自己評価を下げ、“低い自己評価”を原因とするあがり症の改善を妨げてしまいます。


部下たちに守らせる規則にはまず自分自身が従う。

 例えば、部下に対して時間厳守を徹底しているにも関わらず、上司が出勤時間を守ることができない。これでは部下の自己評価を改善していくことはできません。部下たちに守らせる規則にはまず自分自身が従うよう心がけてましょう。